ろうどうけん【労働権】

労働(ろうどう）の意思と能力(のうりょく）を有するものが就職(しゅうしょく）できなかった場合に，国に対して労働(ろうどう）の機会(きかい）をあたえてくれるように要求(ようきゅう）できる権利(けんり），あるいは，労働(ろうどう）の機会(きかい）を提供(ていきょう）してもらえない場合に，国に対して生活の維持(いじ）に必要(ひつよう）な金銭(きんせん）を要求(ようきゅう）できる権利(けんり）のこと。日本国憲法(けんぽう）第27条(じょう）は，「すべて国民(こくみん）は，勤労(きんろう）の権利(けんり）を有し…。」と規定(きてい）しているが，これは後者の意味に解(かい）されている。しかし，この権利(けんり）は国に対する具体的(ぐたいてき）な権利(けんり）としてみとめられたものではなく，国は国民(こくみん）に政治(せいじ）上の義務(ぎむ）を負うにとどまる。◇この規定(きてい）により，職業(しょくぎょう）安定法(ほう）や雇用保険(こようほけん）法(ほう）が制定(せいてい）された。