(1813〜1883)ドイツの作曲家。19世紀後半のドイツオペラの代表的作家。ライプツィヒ大学では哲学と音楽を学び,オペラ『リエンチ』と『さまよえるオランダ人』が成功。1843〜49年にドレスデン宮廷歌劇場の楽長をつとめ,この間に『タンホイザー』『ローエングリン』の2つのロマンオペラを完成した。1872〜83年,自分の音楽的理想を実現させたといわれる劇場をバイロイトにたてた。ここで4部作『ニーベルンゲンの指輪』と『パルジファル』を完成,上演して好評だった。ワーグナーは多くの芸術家に大きな影響をあたえた後期ロマン派を代表する巨匠であった。◇音楽を中心とするオペラではなく,音楽・文学・演劇・美術が同列として,これらの総合芸術としての作品をつくりだそうとする「楽劇」論を展開した。