中学生の英和辞典、何を基準に選ぶ? 新中1向け 英和辞典・徹底比較座談会
中学校から本格的に始まる英語。子どもにとってどんな辞書がよいのか、この春中学1年生になった子どもを持つ、仲良しのママ友3人に集まってもらい、売れ筋の辞書を比較する、徹底座談会を開きました。
写真左から
- 「Challenge中学英和辞典 第2版」ベネッセコーポレーション ¥1,759円+税 B6判変型 収録語数16,700語
- 「初級クラウン英和辞典 第12版」三省堂 ¥1,700円+税(CD付きは1,750円) B6判変形 収録語数14,700語
- 「ジュニア・アンカー 英和辞典 第5版」学研プラス ¥1,600円+税 CD付き B6判変型 収録語数13,500語
中学生向けの英和辞典ベスト3を比較
小林:いよいよ中学生だね。英語の辞書って買った?
佐藤:まだ学校から何も言われていないから買ってないの。
作田:ウチの娘は、電子辞書持っているから紙の辞書はいらないという気もしていて……。
小林:先輩ママから聞いたんだけど、紙の辞書で、自分でページを開いて調べるという行為が大事なんだって。そのほうが頭に入るって言われて、それも一理あると思ったんだ。
佐藤:電子辞書はコンパクトだし、時間の短縮にはなるんだけど、そのときだけって感じはするよね。
作田:そう言えば、わたしも仕事で調べるものをするとき、紙の文字のほうが頭に入る気がする。
小林:ところで今回は、辞書を見比べるってことなんだけど。この3冊が、売れている辞書ベスト3なんだって。
作田:人気の辞書ってことね。今の辞書って、中身はこんなにカラフルなのね。
佐藤:本当だね。ベネッセの「チャレンジ」と学研の「ジュニア・アンカー」は、最初にカラー写真が大きく入ってて楽しく勉強できそう。
小林:三省堂の「初級クラウン」も最初にカラーページがあるけど、辞書の部分を見るとなんか懐かしい感じがする。
作田:そうだよね。わたしが学生のときは、こんな感じの辞書使ってた。
小林:じゃあ、1冊ずつ見ていこうか。
「三省堂」はコンパクトなところがいい
作田:まずは懐かしい「三省堂」からいく?
佐藤:最初のページは、イラストで会話の例文や、いろいろな国の料理写真とかもあって、子どもが興味持ちそうな感じ。
小林:ただ、(辞書ページの)文字が小さいのがちょっと気になるな。
作田:そのぶん、詳しく載ってる印象を受けるけど。
佐藤:わたしは中学生って荷物も多くなるから、「三省堂」のコンパクトサイズなところがいいと思う。家での勉強用だったら厚くてもいいけど、持ち歩くんだったら薄くて軽いほうがいいよね。
小林:家用に厚い辞書を買って、学校用はコンパクトな辞書っていうのもありかもね。
「学研」は絵がかわいくてとっつきやすそう
小林:次は「学研」ね。
佐藤:巻頭のカラーページの絵がかわいいよね。
作田:うん、かわいい。
小林:はじめて英語をちゃんと勉強する子にとっては、とっつきやすいのかもね。
佐藤:発音記号が見やすいのもいいな。
作田:今って、発音はカタカナでも書いてあるんだね。わたしが中学のときはあったかな?
小林:これってCDも付いているんだね。会話とか、発音とかがこれで勉強できるんだ。発音も大事だもんね。
作田:他と比べても値段がそんな変わらないから、CD付きってお得かも。
佐藤:それから、この大きい赤い字で、さらに赤い線で囲んでいるのは、中学校で習う単語なのかな。
作田:「中学重要語」ってことみたい。単語の重要度が分かりやすくなっているのは、使いやすそうでいいね。
「ベネッセ」は文字が大きくて見やすい
小林:「ベネッセ」の第一印象は、すごく見やすいと思った。
作田:文字が大きいからだと思ったんだけど、それだけが理由じゃないよね。
小林:文字がぎっしり入っていないから、見やすいのかな。
佐藤:中学校で習う単語は目立つようになってるところは「学研」と同じだけど……。
小林:「go」とか重要な単語は、何ページにもわたって書いてあって、辞書なのにテキストっぽいよね。
作田:「ベネッセ」は発音のところ、ひらがなとカタカナが混ざっているんだね。
佐藤:本当だ。他の辞書はカタカナだけだよね。
小林:これってベネッセ流の発音の決まりごとに添って書いてあるんだね。わたしにはちょっと難しい。発音記号のほうが見やすいのは、慣れなのかな?
佐藤:それはあるかもね。
小林:文字の大きさ、発音の表記とか、いろんなことが今までとは違うよね。革新的な辞書という感じ。
同じ単語を引いて比較
佐藤:この3冊って、同じ単語でも載っている意味の数が違ったりするのかな?
小林:同じ単語を引いてみる?
作田:じゃあ「get」で調べてみようか。
佐藤・小林:OK!
佐藤:「ベネッセ」は、ページの端のインデックスの上下に薄い字で、アルファベットが書いてあって引きやすい。いいアイデアだよね。
小林:「三省堂」は、用例がたくさん載ってるね。
佐藤:用例がたくさんあると、長文の作文を訳すようなときはいいけど、初心者向きではないのかもね。英検を受けたことがあるとか、英語にある程度慣れている子ならいいけど。
作田:これだけあると、1つの単語にいろんな意味があるんだという勉強になるよね。
小林:「get ~」を何種類も訳す宿題が出たときは、便利かも。
佐藤:中学では、英語でプレゼンテーションする授業とかもありそうだから、そういうときは活躍すると思う。
小林:「ベネッセ」も用例が載っているけど、「三省堂」と比べると文が短い感じ。英語が本当に初めてという子向きかな。
佐藤:「学研」は「三省堂」と「ベネッセ」の中間。中学生にはちょうどいい感じで、言葉の意味とか、用例が入ってるよね。
選ぶときの一番のポイントはどこ?
小林:じゃあ子どもといっしょに、この3冊のなかから買うとしたらどれを選ぶかな?
佐藤:子どもに選ばせたら「わかんない」って言いそうだな(笑)。
作田:ウチの場合は頑固だから、娘が決めると思うけど、どれかな……。
小林:「ママはどれがいい?」って聞かれそう。それで「見やすいのがいいんじゃない?」って、わたしは言うかな(笑)。
佐藤:選ぶときの一番のポイントは「見やすさ」?
作田:わたしも見やすさは大事だと思うけど「三省堂」を見てたら、自分用に欲しくなっちゃった(笑)。
小林:わかる! 文字が小さいから最初はどうかと思ったけど、コラムの「参考」というのが豆知識的でおもしろいよね。ついつい読んじゃう。
佐藤:子どももそこに気づいたら、きっと喜んで読むよね。そうすることで、同じページの他の単語も覚えてくれそう。
作田:例文も多いから、英語が好きな子だったら「三省堂」がいいと思う。
小林:「ベネッセ」は単語帳的だよね。見やすいし、入門の辞書としてはいいと思う。わたしが買うなら「ベネッセ」かな。
佐藤:わたしは「学研」だな。「ベネッセ」の見やすさと、「三省堂」の用例の多さのちょうど中間で、バランスがいいような気がする。それに、ミニ会話が載ってて役に立ちそうだし。
小林:ミニ会話って、例文として役立ちそうだよね。
作田:あと、女の子はカバーの色もあるよね。
佐藤:「水色がいい!」とかね(笑)。
小林:「学研」は女子向けのキラキラしたピンクが表紙の辞書もあるんだって。
作田:そうなんだ。今の子どもたちは、いろんな選択肢があってうらやましいな。