【中学受験】塾はいつから?塾選びのポイント・習い事の整理・失敗談を調査
あっという間に夏が終わり、受験シーズンが少しずつ近づいてきました。これから中学受験を考えているご家庭では、塾選びのコツやいつから通ったらいいか、習い事はどうするかなどが気になっているのではないでしょうか。
そこで学研キッズネットでは、私立中学受験を経験した先輩ママパパにアンケートを実施!100名の回答が集まりました。中学受験対策としての塾と習い事に関するポイントと、これから受験する人へのアドバイスとは……?
塾通いは「小3」がターニングポイント
これから塾に通う家庭でもっとも気になる悩みのひとつが、塾通いのスタート時期ではないでしょうか。
今回の調査でもっとも多かった回答は「小4」で、26%という結果に。以降「小3」20%、「小5」15%、「小6」10%と続きます。全体を見ると、小3以降と回答した人が71%を占めました。
これらの結果から、小3が中学受験のために塾通いを始めるターニングポイントになっていることがわかります。
この背景には、一般的に中学受験に向けた学習は約3年間かかるとされていること、多くの塾では小4から受験に向けた本格的なカリキュラムが始まること、塾のスタート時期が2月(小4の学習であれば小3の2月スタート)であることなどが関係しているかもしれません。
一方で、「塾には通っていなかった」という人も17%いました。
子どもが塾に通い始めた5つの理由
続いて、塾に通い始めたきっかけや理由を尋ねたところ、大きくわけて5つの傾向が見えてきました。
①受験することが決まったから
もっとも多かった回答は、「中学受験をすることが決まったため、すぐに塾を探して通い始めた」という理由です。
小2で受験を決めたというケースから、急遽私立受験を決めたため小6の夏に通い始めたケースまで、時期は家庭によりさまざまでした。
②夏期講習・冬期講習に通い、そのまま入塾
続いて多かった回答は、「夏期講習、冬期講習、塾の体験講習に通い、そのまま入塾した」というケース。時期としては小3~小5が多く、なかには「小2で体験テストと授業を受けたところ、本人が楽しいと思ったから」というご家庭もありました。
③受験するなら少しでも早い時期が良いと思ったため
「できるだけ早く通い始めたかった」「受験に間に合わないと困るから」といった理由で塾通いを始めた家庭も多いようです。
早い時期から通い始めた理由としては、「塾の受験コースが定員いっぱいになる可能性があった」という声もあり、定員オーバーで希望の塾に入れないというリスクを回避するために小3から塾通いをスタートしている家庭も少なくないようです。
④周りが通い始めたので
「一緒に受験する予定の友達が塾に通い始めたから」「ママ友に誘われて」など、周囲のお友達に影響されて塾に通い始めたケースもあるようです。
その場合は小4、もしくは小5からという回答が多く、周りが通い始めてからリサーチをして塾を決定しているため、高学年での入塾というタイミングになっているようです。
⑤受験は意識しておらず、勉強する習慣をつけさせたかったため
「勉強を習慣づけさせたかった」「春休みは宿題が出ないのでダラけてしまうため」といったように、受験目的ではない理由も多く見られました。
ほかには、普段の学習のサポートとしての利用や、学童に行くかわりに塾に通ったという家庭もありました。
塾選びでもっとも重視するポイントは「通いやすさ」
受験経験家庭の塾選びは、どのようなポイントを重視しているのでしょうか?
もっとも重視しているのは「通いやすさ」で、73.5%の人が回答しました。続いて、「授業内容」60.2%、「講師の質・評判」55.4%、「金額」53%、「クチコミ」27.7%、「合格実績」24.1%という結果に。
この結果から、塾の内容や金額ももちろん気になるけれど、一番重視するのは通いやすい場所にあるかということがわかりました。受験が終わるまで長期的に通うため、いかに親子共に負担なく通い続けられるかがカギのようです。
その他の回答には「雰囲気」「子どもの意見」「本人との相性」といった声があり、子ども自身がストレスなく通えるかどうかを重視している家庭もありました。
塾通いのために習い事を整理した人は約4割
いざ塾に通い始めるとなると、これまで続けてきた習い事をどうするか?という問題。「中学受験を視野に入れて、習い事などを整理しましたか?」という質問には、「はい」が41%、「いいえ」が59%という結果になりました。
それぞれの理由は以下の通りです。
習い事を整理した人の理由
・週2回あるスポーツの習い事だったので、負担が大きかった。本人も納得の上で辞めた
・入塾したとき、小5からはすべての習い事を辞めるように言われたので
・時間もお金もかかるので、習い事を1つに絞った
・塾の宿題に追われて、習い事に通う余裕がなくなった
・塾以外の本人がやりたがらない習い事は辞めさせた
時間的なスケジュール調整や金銭面、塾の宿題による負担を考えて習い事を整理したという理由が多く挙がりました。なかには、塾から「習い事は辞めるように」と言われたケースもあるようです。
完全に習い事を辞めて塾のみに絞った家庭もあれば、本人の希望や話し合いのもとで整理した家庭まで、家庭ごとに事情はさまざまでした。
習い事を整理しなかった人の理由
・習い事を優先したかったので、曜日を選べる塾にした
・習い事が負担にならないと思ったので
・息抜きも必要なので、継続させた
・やりたいことしかやらせていなかったので、整理する必要がなかった
習い事を整理しなかったという回答からは、もともと習い事をしていなかったという声が多く聞かれました。
一方で、習い事をしていたという家庭の場合は、塾と習い事を両立することが負担かどうかが整理するポイントとなっており、親子共に負担に感じていない、どちらも楽しんでできている場合はそのまま続けるという選択をしているようです。
塾に通い始めるタイミングで習い事をいくつ掛け持ちしているかも、整理するか否かのポイントかもしれません。
受験経験家庭の失敗談や後悔から読み解くアドバイス
これから受験を考えている家庭で参考にしたい、受験経験者の「もっとこうすればよかった!」という後悔や失敗談を聞いてみました。
「子どもの考えを早めに確認して、精神的な負担を軽くしてあげればよかった」(福岡県・56歳・男性)
「(小5の夏に入塾したが)もう少し早くから塾に通わせればよかった」(北海道・46歳・女性)
「質問しやすい先生がいるかどうかで塾を選んだ方がいい」(京都府・45歳・女性)
「中学受験は、親が子どものやる気やモチベーションをいかに上げられるかが勝負で、サポート体制を整えてあげることがすべてだと感じた」(大阪府・51歳・女性)
「塾も100%ではない。家族で見ること、支えること、塾との連携が必要だった。第一希望には合格できなかったけれど後悔はない。チャレンジして良かった」(神奈川県・53歳・女性)
「もっと読書をさせておけばよかった。気づいてからでは時間がなかった」(千葉県・50歳・女性)
「送迎・弁当・プリント整理・モチベーションアップにつながる文具探しが重要」(兵庫県・45歳・女性)
「まずは子どもが楽しく塾に通うことから始めたほうがいい」(兵庫県・52歳・男性)
塾に通い始める時期から選び方、何を重視するか、勉強以外のアドバイスにエールまで、たくさんの声が集まりました。
塾選びにしても、習い事の整理にしても、子ども本人の気持ちを尊重しながら、親をはじめ周りがうまくサポートしていくことが大切なのかもしれません。これから中学受験を検討・挑戦するご家庭はぜひ今回のアンケート結果を参考にしてくださいね。
アンケート調査概要/期間:2023年7月24日~8月4日 人数:100名 アンケート調査/学研キッズネット編集部 文/水谷映美 編集/石橋沙織