研究のプロ・野口聡一宇宙飛行士が教える!自由研究がうまくいく親の見守り方・関わり方
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江崎グリコの生きて腸に届く乳酸菌クリーム入り菓子の「ビスコ」では、2024年7月から「ビス校Presents なぜなに研究プロジェクト」というキャンペーンをスタート。発売から90年以上という長きに渡り、親子の健やかな成長を応援してきたビスコが、夏の自由研究もサポートしたい!という思いからこの取り組みが始まりました。
8月3日に行われたオンライン特別授業では、特別講師として野口聡一宇宙飛行士が登場しました!
野口聡一さん
宇宙飛行士・博士(学術)
1996年に宇宙飛行士として選ばれてから、3度の宇宙飛行を任務。2009年には日本人として初めてソユーズ宇宙船に船長補佐として搭乗。
2001年には世界で初めて3種類の違う帰還(滑走路、地面、海面)を達成した宇宙飛行士としてギネス世界記録に認定されるなど、日本人初の快挙をたくさん成し遂げてきました。JAXAを退職後も、これまでの経験をもとに「宇宙で暮らすことで人間の心にどのような変化が起こるのか」という研究を続けています。
今回の特別授業のテーマは「『研究』で自分の宇宙をひろげよう!」
- 宇宙飛行士ってなに? どういうお仕事なの?
- 野口さんと研究の関わり方について
- 野口さんと自由研究について
以上の3つをテーマにし、トークセッションを行いました。
「宇宙飛行士ってなに? どういうお仕事なの?」というテーマでは、宇宙で食べたビスコの味わいや、それ以外の食事の味の感じ方が地球と宇宙ではどう異なるのかなど、心がワクワクするような貴重なお話を聞くことができました。
「研究との関わり方」についてでは、研究をやめたいと思ったときの心境や乗り越え方、研究を続けてよかったエピソードについて、自身の体験を交えながらトーク。
そして「野口さんと自由研究について」では、幼い頃に取り組んだ自由研究のテーマや、自由研究の進め方についてトークを展開。
今まさに自由研究をがんばる子どもたちへの、熱いメッセージを受け取ることができました。
最後に野口さんから、授業に参加した皆さんへメッセージ。
「自由研究でなかなか苦労されていることもあると思います。なんといっても、自由に自分が研究したいこと、知りたいことを学べるというのはとてもいいチャンスだと思います。これまでの研究内容を調べ、自分なりの新しいアイデアを考えて足した上で、それを研究としてたくさんの先輩方や先生方の意見を参考にしながらみなさん自身の夏の思い出としての自由研究を進めてほしいと思います。今日が、その一つのきっかけとなれたらうれしいです」
その後、野口さんにインタビューの機会をいただき、自由研究についてさらにお話を聞きました。
「自分たちの住んでいるまちを知ろう」という自由研究をしたことが、思い出に残っているとお話されていました。テーマにしたきっかけとは?
「小学校3、4年生の頃に、“自分の住んでいるまちのことを知ろうという”社会科の授業がありました。市役所がどこにあるのか、一番大きな川がどこに流れているのかを書いて学ぶ内容だったんですね。
今でこそアプリを使えば、あっという間に自分の住んでいるところの地図をプリントアウトできますよね。ですが、当時は地図がなかなか手に入らなかったですし、自分の住んでいる地域のちゃんとした地図が意外となかったんです。
それを自分で書いてみたらどうなるんだろう? 夏休みでしっかり地図にしてみたい!と思い、自由研究のテーマにしました」
自由研究のテーマ探しでつまずいてしまうお子さんも多いと思います。テーマを見つけるヒントはありますか?
「夏休みの初日から最終日まで1日ずつこれをやる、というのが見えていると、お子さんたちも問題なくきちっと進めると思います。ところが、成功の確率が見えないところで自由に選ぶこと自体が、子どもにとってはすごいプレッシャーになってしまう。これは親御さんもわかってあげた方が良いですね」
親として子どもの自由研究にどこまで関わってよいものか、悩ましいところもあります……
「私は子育てのほとんどがアメリカだったのですが、関わり方で苦労しているのは日本だけでなくアメリカも同じです。アメリカの場合ではテーマ選びを子どもたちに完全に自由にはさせず、ある程度絞って始めさせるので、実はスタートは楽なんです。
ですが、思ったように進んでいないこともありますし、あれもこれもと色々試した結果、全部失敗してしまうこともあります。
そういうときは親の出番! ですから親が入るのは古今東西変わりません。
親が手を出さない勇気というのが大変で、本来なら放っておければいいんです。全部失敗しても、全滅してもいいんだよって大きく構えて見ている方が結果的に良いとは思いますが、手を出さない勇気というのがなかなか難しいもの。
テーマを決めるのに苦労する、見つけたテーマに関して進捗が見られない、計画通りに進まないというときに、親が一切手を出さず子供に白紙のノートを出させる、というのは大変なことですよね」
野口さんが自由研究に取り組んでいたときは、ご両親はどのようなスタンスでしたか?
「私が親として子どもの研究に手を出した記憶はあるのですが、自分の研究を親に手伝ってもらった記憶がないんです。親が手伝っていないはずがないので、子どもはキレイさっぱり忘れちゃうんですね。ですから自由研究のお手伝いは子どもに全く感謝されない、というのも覚えていた方がいいかもしれません(笑)。
そして本末転倒かもしれませんが、まずはテーマを決めてしまうのも一つの手です。
あれもやりたい!これもやりたい!というなかで、どれを選ぶかが大変というのが本来の研究の難しさ。
ですが、夏休みの自由研究については決めうちで、これがいいんじゃない?これにしましょう!と決めてしまい、それに沿ってやると決めたら、その狭い範囲で進める。ありすぎる選択がかえって子どもを苦しませてしまう時代なので、こういうテーマの決め方や関わり方もおすすめです」
現代の子どもは夏期講習や習い事が多く、自由研究や学校の課題が後回しになっている印象も否めません。自由研究に真剣に取り組むことで得られるものとは?
「自由研究のテーマがなかなか決まらない、やり始めたけれど結果が出ない、というご家庭も多いですよね。今の子どもは、成功が確約していないプロジェクトにはあまり関わりたくないという傾向にあると思います。
本当の意味での研究は、成功が保障されない作業です。
大学の先生方も、研究してそれが形になるかわからないけれども、自分たちのやり方をコツコツ続けていきます。それがうまくいく場合もあるし、うまくいかないこともある。それが研究の醍醐味でもあり難しさでもあるのです。
今のお子さんたちは最初から成功が約束されているものをやりたがるという“マニュアル重視”な傾向にあるので、そこが大変なところ。自由研究のようにスタート時点で成功するかどうかはわからないけれど、そこに自分としての創意工夫やアイデアを入れていく体験は、先が見えない、成功が保障されないことに向かって努力するのと同じこと。
大人の仕事は全てそうですから、自由研究で得た体験が大人になって役に立つと思っています。
先ほどもお話ししたように、今のお子さんたちは成功への道筋が見えやすい、あるいは確約されてるプロジェクトにはすごく乗ってきやすいんです。
反対にそうでなはいものには手を出さないような傾向にあります。例えば中学受験に向けてなど、塾や予備校が設定するロードマップには非常に乗りやすいんですね。
自由研究に取り組むことはあくまでも自分で道筋を立て、計画を立てて進め、成功も失敗も自分が責任を持つことでもある。そういう貴重な経験を1ヶ月でできる、素晴らしい機会です。
今は何事も効率第一、コストパフォーマンス重視の世界になってしまっています。効率第一ではない作業に自分でコミットできるというのが、自由研究に取り組む最大の利点なのかもしれないですね」
野口聡一さん特別授業アーカイブ配信中!
今回の特別授業では、ビスコの公式SNSのダイレクトメッセージに寄せられた、たくさんの質問にも野口さんがお答えしています。アーカイブを配信しているので、ぜひご覧ください!
アーカイブ公開期間: 2025 年2月28日(金)まで
特別授業のおすすめの聞き方
①筆記用具とノートを用意する。
②野口さんの話を聞いてわかったことや考えたこと、感想などをメモにとる。
また、この授業のほかにもキャンペーンサイトでは楽しくてためになるコンテンツを公開しています。ぜひ概要欄からチェックしてください。
ビスコ「なぜなに研究プロジェクト」キャンペーン実施中!
ビスコを買ってくれたみなさんに自由研究の始め方からまとめ方までが全てわかる「学研キッズネット監修 なぜなに研究ばっちりガイド」をプレゼント中。
キャンペーンマークのついている小箱タイプのビスコを購入し、内袋の二次元コードをスマートフォンで読み取ると、PDF形式にアクセスできます。さらに合言葉を入力すれば、PDFに加えてPowerPointのばっちりガイドもダウンロードできます!
※なぜなに研究ばっちりガイドの配信期間は2024年7月16日(火)から2025年2月28日(金)まで
このばっちりガイドを参考に、今日の特別授業でとったメモを見ながら、わからなかったことやもっと知りたいと思ったことなどをさらに深く調べてみてください。
それだけで自由研究が完成!
ほかにもビスコを使った自由研究の紹介や自由研究の進めかたのポイントなどもたくさん盛り込んでいます。ぜひ、みなさんの自由研究に役立ててくださいね!
取材・文/末永陽子