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「背筋をピンと」は逆効果? 合言葉『お団子とくし』で楽しく身につく!親子の“姿勢習慣”

「背筋をピンと」は逆効果? 合言葉『お団子とくし』で楽しく身につく!親子の“姿勢習慣”

GIGAスクール構想により、タブレットやPCを使った学習が当たり前になった現代。便利な一方で、子どもたちの姿勢が崩れてしまうケースが急増しています。今回、全国でピラティススタジオや整体院を展開する理学ボディ社が開催した親子向けイベントでは理学療法士の専門家(小林莉子先生・林史佳先生)が登壇し、「正しい姿勢」についての誤解や家庭でできる対策をわかりやすく解説しました。

「背筋をピンとしなさい」の声掛けはNG? 実は反り腰の原因に

つい、スマホやタブレットを覗き込むように下を向いた姿勢のお子さんに「もっと背筋をピンとしなさい」と注意していませんか?
一見すると良い声かけのようですが、実はこの言葉がきっかけで“反り腰”を招いてしまうことがあるのです。

イベントでは、子どもたちは背筋を「ピンと」させようとしたときに、正しい筋肉の使い方がわからず、腰を必要以上に反らせてしまいがちであると解説されました。
このような不自然な姿勢は背骨や骨盤に負担をかけ、かえって体への負荷が大きくなることもあるのです。

さらに、反り腰の状態が続くと、腰痛を引き起こしたり、姿勢保持が困難になったりと、体全体のバランスにも悪影響を与える可能性があります。

姿勢が悪いとどうなる? 目・運動・集中力に悪影響が

悪い姿勢は、体の負担以外にもさまざまな影響をおよぼしてしまうことをご存知ですか?イベントでは以下の3点を紹介してくれました。

目が疲れた子ども

1) 視力への影響

背中が丸くなり前かがみの姿勢になると、頭も一緒に前に出てしまいます。机上のノートやタブレットをより近距離で見てしまうため目の調整筋が酷使され、疲れやすさや視力低下につながります。

2) 運動パフォーマンスの低下

正しい姿勢でないと筋肉を効率よく動かすことができません。縄跳びやサッカー、ドッジボールなどでも動きにくさが出てしまいます。

3) 集中力の低下

体がグラグラしていたり、頭が前に出すぎていたりすると、脳は「姿勢を正さなきゃ」と絶えず指令を出し続けることになります。
でも、本来子どもたちの脳は、目の前の勉強やゲームに集中したいはず。姿勢を保つために余計なエネルギーを使うことで、結果的に集中力が分散してしまうのです。

つまり、「正しい姿勢」は見た目だけでなく、学力や運動能力にも直結する重要な基礎力なのです。

合言葉は『お団子とくし』で親子一緒に楽しく姿勢チェックしよう

正しい姿勢のイラストお団子とくし

イベントで紹介された、子どもにもわかりやすい姿勢を整える合言葉が「からだは『だんご』、背骨は『くし』」です。

  • ピンクのお団子=頭
  • 白いお団子=お腹
  • 緑のお団子=お尻
  • 背骨=くし

この3つのお団子が、串に真っ直ぐ並んでいるように立つ・座ることが、正しい姿勢の基本です。

またイベントでは、姿勢が崩れやすくなる長時間の勉強などの合間で、簡単に姿勢を正すことができる「姿勢リセット」エクササイズも紹介されました。テーブルを押しながら頭を伸ばすストレッチや、首やお尻を柔らかくする動きなど、椅子に座ったままできる簡単な運動は、正しい姿勢を維持するためにはもちろん、血流の改善や集中力の回復にも効果的です。

家庭での実践として、姿勢チェック用の写真撮影や、膝・お尻・肩・耳の穴が縦一直線上に並んでいるかを測る「姿勢チェック定規」の活用法も紹介されていました。さらに、座面にバスタオルを敷いてお尻の高さを出すことで、自然と骨盤が立ち、座り姿勢も安定しやすくなるとのこと。

子どもの座る姿勢をスマホで撮影する保護者

座り姿勢をスマホで撮影してみて…

姿勢の確認をする子ども

まっすぐな線を引いた「姿勢チェック定規」のシートを使って、頭からお尻までが一直線になっているか、確認

姿勢改善イベントでストレッチをする子ども

座りながら実践できるストレッチも実施しました

姿勢改善は“歯みがき習慣”と同じ

イベントでは、「正しい姿勢」は一度学んだだけでは身につかず、家庭での継続的な声かけと習慣化が大切だと強調されていました。

たとえば、

「お団子そろってる?」

「背骨はくしだよ」

など、親子で合言葉を使って確認し合うことで、楽しく意識を続けられる工夫が紹介されました。

実は、子どもたち以上に大切なのが保護者の姿勢への意識。講師は「大人自身が姿勢の大切さを理解していないと、子どもに正しく伝えられません」と話します。
「歯みがきしようね」と同じように、「姿勢を整えようね」と自然に声をかけられる家庭文化が必要なのです。

なぜなら、たとえば「目が悪くなるから気をつけなさい」という言葉にも、大人自身の“視力が落ちた”という実体験があるからこそ説得力が生まれます。
逆に、子どもはまだその影響を実感できないため、自分から気をつけることは難しいのです。このイベントも「子どもだけの学び」にせず、親が正しく理解し、日常で声をかけ続けられるようになることが何より大切だと講師は語ります。

姿勢の改善は、大人でも「大切だ」とわかっていても、どう教えればよいのか迷ってしまうことの多いテーマです。今日から家庭でも、声かけと簡単な習慣づくりで親子で姿勢改善を始めてみてはいかがでしょうか。

文・撮影/高須賀里緒菜

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キッズネット編集部

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