メニュー閉じる

子どもに責任感や自信が身に付く! 海外名門校も取り入れる「生き物の飼育」【コソダテのヒント】

子どもに責任感や自信が身に付く! 海外名門校も取り入れる「生き物の飼育」【コソダテのヒント】

元保育園園長で、現在子育てや教育関連の講演会を配信している「花まる子育てカレッジ」ディレクター井坂敦子さんによる連載です。音声配信Voicy『コソダテ・ラジオ』の「子育てが楽しくなる小さなヒント」を読みやすく記事化しております。ぜひお楽しみください。

※今回の元になった配信は、9月22日発売の「入学後の学力がぐんと伸びる 0~6歳の見守り子育て」(井坂敦子・著)の内容を抜粋してお届けしています。

たくさんの生き物を飼って知ったこと

みなさんのお家では、何か生き物を飼っていますか? 生き物の飼育には思いがけない学びがいろいろあります。

私自身はあまり虫が好きではないのですが、我が家では娘のリクエストがあり、カブトムシやカイコ、それからスズムシなどを飼っていました。

虫カゴに入った2匹のカブトムシ

カブトムシはオスとメスを捕まえてきて、孫の代まで3年間飼育して、卵から幼虫になる過程も経験し、“命の学び”を得ることもできました。

カイコに至ってはエサが桑の葉だけなので、桑の木のあるお家の方から葉を分けてもらい、それを冷蔵庫で保存。野菜室が占領されて大変だったこともありますが、今ではいい思い出です。繭になったものから絹糸を取る、という貴重な体験もしました。

スズムシは秋の音色を楽しみたいと飼ったのですが、部屋の中で虫カゴで飼っていると、美しく聞こえるどころか、大音量。狭い家では安眠妨害になるぐらい、ものすごく大きな音だということがわかったのです。

娘は生き物が好きなので、そのほかにもメダカ、ザリガニ、金魚、ミドリガメ、カタツムリ、アリ、ダンゴムシ、オタマジャクシがカエルになるまで、というように、幼稚園~中学校にかけてずっと、いろいろなものが家にいました。それによって、いろいろな経験や学びができたように思います。

ホームステイ先でも役立った“経験”

我が家には犬もいて、娘が幼稚園~小学校のときにはドーベルマンやラブラドールレトリバー、ウェルシュコーギーカーディガン、ジャックラッセルテリアなどが9頭いました。

9頭もいると、ごはんも9頭分なら、トイレも9頭分。家族総出で世話をしていましたが、子どもですから世話をしたくない日もあります。それでも、世話をしないとどうなるのかと考えて、がんばっていました。

茶色い柴犬に寄り添う女の子

犬が病気のときには娘も一緒に病院に行きましたし、亡くなったときには火葬場にも行きました。そうして娘は「生き物を飼う」ということを学び、ちょっとしたベテランになったのです。

今、娘はイギリスに留学をしていますが、日本には長い休みのときにしか帰ってこられないので、短い休みのときは友だちの家にステイさせていただく機会がよくあります。

そこでは、犬や猫、ウサギやアヒル、羊、馬などを飼っているお宅が多く、そんなときにすぐに犬や生き物と仲良くなれる娘は、とても友人のご家族から喜ばれているようです。

ですので、算数の学びをスムーズにするためにも、ぜひ普段から「今何時?」や、「あと20分で4時だね」のような会話を、なるべくたくさんしてあげてください。

アメリカの名門校にある「プログラム」

アメリカのカリフォルニアにあるサッチャースクールという歴史の古い名門校では、「ホースプログラム」という有名なプログラムがあります。

そのプログラムはその名の通り、新入生は入学したその日から一頭の馬とペアを組み、日常の中で馬の世話をしながら乗馬を学び寮生活を送る、というもの。自分の生活の自立だけではなく、馬のケアまで同時に行うことで、寛容な気持ちや自立性が養われる、ということで有名です。

馬の頭を抱き寄せる白人の女の子

そしてこのサッチャースクールは、卒業生の多くが海外の名門大学に進学していることでも有名なのです。「ホースプログラム」で培われた力が、そうした学力につながっているのかもしれませんね。

子どもの「責任感」や「自信」を養う“お世話”

生き物と暮らすことは楽しいことばかりではなく、ほとんどがお世話。大変なこと、難しいこともあるでしょう。

住環境によっては、なかなか飼うことができない場合もあるかと思いますが、生き物の世話を通じて、「命を預かる責任」や「頼られる喜び」、「自分が世話をしているという自信」、「命を預かることができたという喜び」のようなものが感じることができます。子どもなら、いっそう強く感じるでしょう。

抱いた猫を見つめる女の子

そうしたものが、「自分を信じる気持ち」にもつながっていくのではないでしょうか。

小さなダンゴムシやカタツムリ、金魚のようなものであれば住環境をあまり選ばずに飼えるかなと思いますので、ぜひ生き物と一緒に暮らす経験、生き物の世話をするという経験をお子さんに知っていただけたらなと思います。

 

話し手/井坂敦子 構成/清野 直

『コソダテのヒント』シリーズ

井坂 敦子(いさか あつこ)さん

中学校高等学校教諭一種免許状(国語) /保育士/食育カウンセラー/表千家師範

慶應義塾大学卒業→ 雑誌『オレンジページ』編集部 →公式サイト『オレンジページnet』編集長 →小学校受験対応型保育園園長 →「花まる子育てカレッジ」にて年間約100本の子育てや教育に関する講演会や対談を企画運営。『入学後の学力がぐんと伸びる 0~6歳の見守り子育て』(KADOKAWA)が9月22日発売。Instagramブログ「わが家の小学校受験顛記」も好評。英国留学中の高校生とボーダーコリー3頭の母

学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと編集部)

学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと編集部)

学研キッズネット編集部(がっけんきっずねっと編集部)

『学研キッズネット』は、1996年にオープンした小・中学生のためのWebメディアです。学研の子ども向け書籍や雑誌の編集ノウハウを活かし、子どもたちが安全に楽しめるサイトとして運営しています。
子どもたちのしあわせのために、家族のしあわせのために、有益な情報やサービスをお届けできるよう、いつも精一杯がんばっています。

PAGETOP