小中学生のデバイス保有率は7割!デビューはいつから?種類や選ぶポイントを調査
私たちの生活と切っても切り離せない、スマホやタブレットなどのデバイス。
子どもに購入を考えている場合、どんな種類があって、何歳くらいから持たせているのか、選ぶときのポイントなどを参考にしたい保護者もいるのではないでしょうか。
今回は、令和の小中学生デバイス事情を探るべく、小中学生の子どもがいる保護者にアンケートを実施。子ども専用デバイスの所有率やデビュー時期、選ぶときのポイントなどを紹介します。
7割の子どもが「自分専用デバイス」を持っている!
今回の調査では、子どもに専用のデバイス(スマートフォン、キッズ携帯、タブレット、パソコン、GPSなど)を持たせているかどうかの質問に対して、「はい」が67.4%、「いいえ」が32.6%」という結果に。
じつに7割近い家庭で子どもにデバイスを持たせていることがわかりました。
では、具体的にはどんなデバイスを所有しているのでしょうか。もっとも多かったのは「スマートフォン」で38.8%。次いで、「タブレット」26.6%、「キッズ携帯」13.5%、「見守り用GPS」11.8%、「パソコン」5.9%でした。
この結果から、令和の子どもたちの生活にスマホやタブレットなどの通信機器が広く浸透していることが浮き彫りになりました。
スマホ、タブレット、GPS…いつから持たせる?デビューのタイミング
保護者が特に悩むのは、子どもに持たせるタイミングではないでしょうか。各デバイスのデビュー時期に関する回答結果をまとめてみると、成長段階によって利用目的が多用途に変わっていくことがわかりました。
スマートフォン、キッズ携帯、タブレット、パソコン、見守り用GPSの5種について、それぞれのアンケート結果を深ぼっていくと、持たせる時期や理由はさまざま。ここからは、各デバイスのデビュー時期について、ひとつずつみていきましょう。
【スマホ】中学入学がスマホデビューのタイミング!学習ツールとしての需要も
子ども専用の「スマートフォン」を持たせるタイミングが、もっとも多かったのは「中学生以上」で29.8%。約3割近くを占めるという結果になりました。
中学生以上で持たせた理由としてもっとも多かったのは、「周りの友達が持ち始めたので」という声。なかには
と渋々了承したという人も。
また、どの学年でも「連絡ツール」としてや、「GPSがわりに持たせている」という声が一定数ありました。
「部活動で遠出することが多くなったので、連絡用として」(千葉県・40代女性)
「中学生になって行動範囲も広くなり、交友関係も広がったのでないと不便だと感じた」(大阪府・50代女性)
「小学生までがキッズ携帯だったので、中学進学のタイミングでスマホを持たせました」(神奈川県・50代女性)
ほかには、連絡手段としてだけでなく、勉強目的としている実態も浮き彫りに。
未就学児から持たせる場合の理由としては「知育アプリや移動時に遊ぶための娯楽用アプリを使うため」、以降学年が上がるにつれて「勉強で利用するから」という声が多くなるなど、年齢に応じて使い方はさまざまなことがわかりました。
【キッズ携帯】小1で持たせた家庭が5割弱。GPS代わりに利用しているケースも
「キッズ携帯」を持たせた時期を見てみると、「小1」が44.9%で約半数を占めました。以降、「小4」「小3」「未就学児」「小2」と続きます。
主な理由としては、
「友だちと遊びに行く機会が増えたので、安全面を考慮して」(広島県・30代女性)
「登下校の連絡のため、GPSの役割として」(千葉県・40代女性)
「私が働いており、日中子どもが一人で留守番するようになったので」(静岡県・40代女性)
という声が寄せられました。
なかには、実際に近所で不審者目撃情報があったという出来事をきっかけに購入した人も。スマホ同様、連絡手段と防犯対策という理由で利用している人が多いようです。
【タブレット】未就学児~小1がタブレットデビューの山場
一方、「タブレット」を持たせた時期でもっとも多かったのが「未就学児」で34%という結果に。続いて「小1」が18.5%で、未就学児~小1でタブレットを持たせる家庭が5割強いることがわかりました。
全学年共通では、
「コロナ禍で自宅学習する機会が増えたため」(石川県・40代女性)
「習い事で使用することになったので」(千葉県・40代女性)
「YouTubeを見る際、スマホでは画面が小さいから」(兵庫県・20代女性)
「タブレットで絵を描きたいと言われたから」(鳥取県・40代女性)
という回答が。未就学児の場合はこれらに加えて、「外出時の時間つぶし(愚図り対策)として重宝している」という声も目立ちました。
また、持たせるようになったきっかけとしては「親が使っていたタブレットを子どもに譲った」「スマホを契約した際に安くタブレットを購入できたので」というケースも。
タブレットの場合は新たに購入するというよりも、すでに手元にあったものや、何かのきっかけで手に入ったものを子ども専用にすることがあるようです。
【パソコン】中学生で自分専用PCを持つ子どもが4割弱。プログラミング需要高
「パソコン」を持たせた時期は「中学生以上」がもっとも多く37.2%という結果に。
主な回答理由は、以下の2つ。
「プログラミングのために購入した」(千葉県・30代男性)
「学校の勉強に必要だったので」(茨城県・30代男性)
一方で、2番目に多かった「小1」(22.8%)の回答理由としては、
「小さい頃からパソコンの操作を覚えさせたかったので」(静岡県・30代男性)
「タイピングを習得してほしかったから」(三重県・40代女性)
という声も。
その他の学年でも、「勉強に必要だったため」「オンライン英会話を受けるため」など学習で使用するという理由がほとんどを占めましたが、なかには「動画を作成してYouTubeに投稿するため」という時代を反映した声もありました。
【見守り用GPS】小学校入学を機にGPSを持たせた家庭が6割強。不審者対策のツールとして
「見守り用GPS」を持たせた時期に関しては「小1」が63.5%と、6割以上を占めるという顕著な結果に。
その理由は防犯対策がほとんどで、
「それまでは1人で外を歩くことがなかったのが、小学生になり子どもだけで登下校したり、公園に遊びに行くようになったので」(福岡県・30代女性)
「学校まで2.5キロの道のりで国道や大通りを渡ることがあり、危険なので持たせました」(宮城県・30代女性)
「小学校入学時に案内が入っていたから」(東京都・40代女性)
という声から、保護者の子どもを心配する気持ちが伺えます。
なかには、「市と連携しているものがあり、安く借りることができたので」「学校から補助金が出たから」などの声も。GPS所持をサポートしてくれる制度を活用した家庭もあることがわかりました。
子どものデバイス選びのポイントは、圧倒的に「価格」と「実用性」
各家庭、さまざまな考えと目的で子どもに持たせているデバイス。選ぶときに重視している点について聞いてみたところ、約7割の人が「価格」(69.1%)と「機能性」(67.8%)という回答結果が。
以降、「重量やサイズ」「キャリアやメーカー」「クチコミ」と続きます。
やはり、防犯と学習面でのサポートとして使いたい家庭が多いため、実用性を重視している。一方で、子どもが複数人いる家庭も多く、昔であればなかった出費であるために、価格帯も重視している……といった背景があることが読み取れます。
その他の回答には、「安全性」「保障の有無」、そして「親やきょうだいなど家族が使っていたものを譲った」という声も複数見られました。
これから持たせたい2大デバイスは「スマホ」と「キッズ携帯」
現時点で購入を検討している回答者に、これから子どもに持たせたいデバイスを尋ねたところ、「スマートフォン」32.7%、「キッズ携帯」27.2%が突出して高い数字に。
特にスマホと回答した人の中には、キッズ携帯を持っている人が多く、キッズ携帯の次のステップとしてスマホを検討しているようです。
また、「特にない」と回答した25.9%のほとんどが、すでにスマホを持たせている親でした。これらの結果から、現代の子どもたちに必要なデバイスの代表がスマホだということが読み取れます。
令和の子どもたちに欠かせないデバイス。気になっているものがあれば、ぜひ今回の記事を参考に、各家庭で購入時期を検討してくださいね。
アンケート調査概要/期間:2023年12月20日~12月29日 人数:305回答
アンケート調査/学研キッズネット編集部 文/水谷映美 編集/石橋沙織