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【小学校低学年向け】読み聞かせ時間をキッチンにスライド!「食育」で親子の絆を育む魔法のマインドチェンジ

【小学校低学年向け】読み聞かせ時間をキッチンにスライド!「食育」で親子の絆を育む魔法のマインドチェンジ

朝から仕事や家事に追われ、休む間もなく夕飯の準備。毎日必死に過ごす保護者の皆さんにとって、食事の時間が「早く食べさせて、片付けなきゃ……」という憂鬱な時間になっていませんか? 

「わたしも3人息子を育てているので、その切実な気持ちは痛いほどわかります。でも、ほんの少し視点を変えるだけで、食卓が親子の絆を深めるかけがえのない時間に変わるんですよ」

そう語るのは、一般社団法人日本キッズ食育協会の代表理事・榊原理加さん。今回は、食事の時間を「義務」から「唯一無二のコミュニケーションタイム」に変える秘訣を教えてもらいました。

「つくらなきゃ」「食べさせなきゃ」の義務感を手放す

子育て中の食事は、準備に手間がかかり、食べている時間も慌ただしく、最後には大量の後片付け……「食事=疲れる時間」と感じてしまうのは、保護者の皆さんががんばっている証拠です。

私自身がフルタイムで働きながら子どもといっしょにキッチンに立ちたいと考えた理由は、食卓を囲む時間を、子どもたちの成長の糧になるような楽しいものにしたいから。

食育を学び、実践することは、子どもの知識や経験のためだけでなく、じつは「親自身が子育てを楽しむ」ためのものでもあります。

キッチンに立つ親子のイメージ

まずは、「完璧に作らなきゃ」「残さず食べさせなきゃ」という義務感を一旦手放し、肩の力を抜いてみましょう。

かわりに、「今日はこの時間で、子どもとどう楽しもうかな?」とワクワクの種を探してみる。このマインドチェンジこそが、食卓を笑顔に変える第一歩になるはずです。

「家事」を「最高の子育てタイム」に!子どものお手伝いを通したコミュニケーション

マインドチェンジのファーストステップとして、食事の時間を「親子の絆を育む時間」という目線で考えてみましょう。

たとえば、子どもとの会話を楽しむのはもちろん、夕食の食材でクイズを出し合うのも盛り上がります。

なかでも私のおすすめは、子どもにお手伝いをお願いすること。

とはいえ、「自分でつくったほうが早いから……」と思うと、食事の準備を子どもに任せるのは勇気がいりますよね。

そういう場合は、「寝る前の読み聞かせの時間のかわりに、子どもといっしょにキッチンで過ごす日があってもいい」と考えてみてはいかがでしょうか。

食事の準備時間を子どもとのコミュニケーションタイムに変えて、濃密な親子時間を確保するという考え方です。

お手伝い中にイライラしないコツは、「子どもの発達段階」を知っておくこと。子どもは「やりたい!」という意欲が先に育ち、それを支える体の筋力や手先の器用さなどは発達とともに徐々に備わっていきます。

卵を割る子どものイメージ

もしも、「どうしてできないの!」とイライラしそうになったら、まずは深呼吸。「いまはまだ発達の途中なんだね」と心の中で唱えてみてくださいね。

事前にお願いしていたお手伝いがまったく進んでいない!なんてこともよくありますが、「まだやってないの?」の一言はぐっとガマン。「準備しようとしてくれたんだね。ありがとう。続きはママと一緒にやろう!」と、声をかけて誘ってみましょう。

相手を否定しない前向きな声かけが、子どもの自己肯定感をぐんぐん育てていきます。

集中力のリミットは「10分」!お互いがラクになるお手伝いの極意

子どもにお手伝いをお願いするときは、「短時間で完結するタスク」を切り出すことが成功のカギです。

年齢にもよりますが、子どもの集中力は基本的に「10分程度」。ですから、「お米をとぐ」「野菜を洗う」「卵を割る」「お皿を運ぶ」といった10分以内で終わる作業を任せることで、お手伝いがスムーズに進みます。

どうしても長くかかりそうなときは、「ちょっと味見してみようか」と合間に休憩を挟むのがおすすめです。

もし途中で飽きてしまっても、「ここまでやってくれてありがとう。すごく助かったよ!」と感謝の気持ちを伝えてください。「お手伝い=楽しい体験」として子どもの記憶に残ることが、次への意欲につながり、親も子もハッピーな気持ちになれます。

この「短時間に集中する」という考え方は、食事のマナーを教えるときにも有効です。

ただし、マナーより先に守りたいのは、「食べる」ことを「嫌いならない」こと。

箸の持ち方の練習中はつい何度も注意してしまいがちですが、大切なのは「最初の3分」! 3分がんばれたら思いきり褒め、残りの時間は楽しく食べることを最優先してくださいね。

食育における親の役割は、子どものいちばんの「サポーター」になること

学校や習い事で今日あった出来事や、少し言い出しにくいテストの話、お友だちとの悩み事など、おいしいものをつくりながら、食べながらだと、子どもは驚くほどいろいろなこと話してくれるものです。

また、お手伝いを通じて子どもを褒める機会も増えるので、自然に自己肯定感が育まれます。まさに、食卓は、心と体を育てる小さな教室なのです。

普段の食事に関する時間を少しマインドチェンジするだけで、食育って、とっても身近で気軽に取り組めるんですよ。

家庭での食育において、親は先生ではなく「サポーター(応援団)」になること。

子どもが自分で考え、選び、挑戦する姿を隣で見守り、応援する。その積み重ねが、自分の体を大切に考え、自立して食を選び取れる「生きる力」を育んでいきます。

さあ、今夜の夕食から、かけがえのない親子の時間を始めてみましょう!

 

取材・文/水谷映美 編集/石橋沙織(キッズネット)

榊原 理加(さかきばら りか)さん

榊原 理加(さかきばら りか)さん

榊原 理加(さかきばら りか)さん

一般社団法人日本キッズ食育協会 代表理事。大手料理教室マネジメント、講師育成を経験後、独立。個人向け料理教室の経営コンサルティング業を行う傍ら、日本キッズ食育協会を設立。子どもたちへ食育を教えるための講座・研修を開催し、トレーナーを育成。食育スクール「青空キッチン」を全国に約70校展開。

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