まちづくりのための都市計画や、景色を設計するための調査を行う建設コンサルタント。実は私たちの生活に近いところに関わる大切なお仕事です。建設コンサルタントのお仕事のことを、けいさんに教えてもらったよ。
建設コンサルタントって、どんなお仕事ですか?
建設コンサルタントっていうのは、私たちの住む場所のインフラを計画したり、設計したりする仕事です。
インフラというのは、私たちが生活をするために必要な設備のこと。私たちが住んでいるマンションや戸建てなどの住宅、病院やスーパーマーケットなど暮らしに関わる建物が都市にはたくさん存在します。その他にも道路や鉄道、水道を使うための施設や電気を使用するための施設、また公園や河川敷など人間が暮らすための様々な設備が必要になってきます。そういった設備をそれぞれの用途に合わせて暮らしやすく配置することを都市計画といいます。私たちの住む場所を支えている、なくてはならない基礎の部分のことを、インフラと言うんですね。その基礎部分作りに関わる仕事が建設コンサルタントです。
どんなふうに仕事を進めるのですか?
調査、計画、設計
道路や橋など土木のインフラがどうやってできるかというと、まずその管理者である市役所とか県庁の担当が、ここにこういうものを作った方がいいんじゃないか、ということを考えます。それが本当にそこにできるのか、どこに作るといいのかを調査して、こういう大きさのものをこういう目的でこういう時期に作りましょうという計画を立てます。その計画にしたがい、実際にどういう形のものを、どういうサイズで、どういう材料を使って作るか、という設計図を作り、実際に作っていきます。
この調査・計画・設計をするのが建設コンサルタントの仕事にあたります。
また、完成してもそれで終わりではありません。私たちの生活の基礎を支えてくれているインフラは、とても長い間使わないといけません。なので、日常的に壊れていないかとか、安全に使える状態になっているかをチェックしていきます。もしちょっと機能が足りないなみたいな箇所が見つかったら、それを修理するためにまた調査し、計画し、設計していくんですね。
心地よい、素敵な場所に
私の専門は都市計画と土木景観って言われるものになります。土木景観とは、例えば川の周りの安全性を高める際に、高度成長期にはコンクリートで無機質に固めていました。そのことで、それまでの生き物がいなくなったり、子どもが遊べなくなったり、良くない面もあったんです。そこで最近では、川の水をコントロールする機能を持ちつつ、植物や自然がたくさんある心地よい場所にした方がいいんじゃないかと考えられるようになってきました。土木景観には、橋を専門にしたり、道路を専門にしたり、様々なインフラの専門家がいます。こういう素敵な場所を作りたいよねっていう考えは、どんな土木インフラでも考えられていると思います。
どうして建設コンサルタントになったのですか?
私がこの仕事に就いたのは、大学で土木景観の勉強をしたのがきっかけです。それを学ぼうと思った理由は、土木景観っていうのは、私たちが考えて作るものです。それが綺麗だなと感じたり、ほっとするなと思えたりするような環境にできる。人の心を動かすことができる空間になるというのが素敵だなと思いました。そういった環境を自分の手で作ることができるんだなと感じたことが大きいですね。
建設コンサルタントになるにはどうしたらよいのですか?
建設コンサルタントになるためには、多くの場合は大学で土木や都市工学、または建築の勉強をするとよいと思います。あとは農業土木という学問もあって、農業で使う水路を学んだり、港湾、港に関する都市計画を学んだりもできるので、農学部でそういう勉強をしても大丈夫だと思います。これらの学問が学べる大学の学部に進学して、勉強するとなれるかなと思います。資格は必要ですが、お医者さんのように特定の学部で勉強して資格を取らなくても、仕事を始めてから受けられるものなので安心してください。
※この記事は2022年8月2日に行われた「ことばパーク特別講座 プロに聞く! おしごと発見プログラム」(学研エデュケーショナル主催、株式会社Blueberry協力)の内容を基に制作しています。
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