さまざまな施設や人々の警備・警護を専門におこなうことで、社会の安全を守る。
こんな人にピッタリ!
責任感、使命感の強い人。冷静に行動できる人。体力に自信があり、頑丈な体の持ち主。
どんな仕事?
安全を守る警備員の仕事は4つに分類される
警備員の仕事は、一言で言えば「安全を守る」こと。しかし、働く場所や守る対象によって仕事の内容はさまざまで、警備業法という法律で4つに分類されている。
①1号業務・施設警備
大きな企業やショッピングセンター、病院など人が集まる施設を見回り、不審者や危険物がないかをチェックする。一般的に「ガードマン」と呼ばれているのはこの仕事だ。
②2号業務・雑踏・交通誘導警備
道路工事や土木工事、お祭りやイベントなどの現場で交通誘導や雑踏整理をおこなう。
③3号業務・運搬警備
現金、貴金属、美術品などを運ぶ際の盗難や事故を防ぐ。
④4号業務・身辺警備
通称「ボディーガード」。政財界の要人や著名人、一般市民まで、契約者に付き添って行動し、その身を守る。
実際の現場では、いくつかの業務を兼任することもある。
これがポイント!
警備会社の正社員を目指すなら専門学校や大学に進学
警備員になるために特別な資格や学歴は必要ない。警備会社に採用され、その会社で研修を受け(研修は必須)、18歳以上で過去に犯罪歴がないなどいくつかの条件をクリアすれば、すぐに現場に出ることができる。そのためアルバイトやパートとしてなら比較的簡単に採用してもらうことができる。一方で、警備会社は今、正社員の募集に熱心と言われる。社会全体のセキュリティ意識の高まりで、高度な知識と経験を持つ専門的な警備員の確保、幹部候補生の育成が不可欠になっているからだ。警備員になるための専門学校というものはないが、正社員をめざすなら、社会学やビジネス、情報セキュリティ、コミュニケーション学などを学べる専門学校や大学を出ておくと就職に有利だ。
ボディーガードとSPの違い
警備員の通称として使われる「ボディーガード」とよく似た職業に「SP」がある。どちらも「身辺警護」をおこなうのが仕事だが、ふたつのちがいは民間か公務員かということ。SPは「Security Police」の略称で、警察官(警視庁警護課所属)という公務員である。民間の警備員であるボディーガードは依頼されれば基本的に誰でも警護するが、SPの警護対象は日本国政府や外国から来た要人などに限られる。SPは警察官なので銃を所持する。民間のボディーガードは拳銃はもちろんのこと、殺傷能力があるような武器の携帯は認められていない。
警備に関する資格を取得してキャリアアップ
警備員になるために必要な資格はないが、警備員の資格検定として「警備業務検定」がある。6種類あり、国家資格なので取得しておくと就職や転職に有利だ。キャリアアップにもつながる。たとえば「空港保安警備検定」は、1号業務「施設警備」のキャリアに役立ち、「貴重品運搬検定」は3号業務「運搬警備」における知識・能力を試す資格として責任ある立場に立つ証となる。「核燃料物質等危険物運搬警備検定」のように、この資格を持つ警備員がいないと運搬業務ができない特殊な資格もある。これらの資格検定には1級と2級があり、2級は受験資格に年齢制銀はない。警備員になってから取得をめざす人も多い。
将来はこうなる
最新システムに対応できる人材が求められる
世界一安全な国と言われる日本も、犯罪を伝えるニュースは絶えない。人々のセキュリティ意識は高まり、先進的な警備システムを導入する企業、施設が増えている。個人的に身辺警護を依頼するケースも多い。警備員の需要は高まるばかりで、広く考えれば将来性のある有望な職業と言える。ただ、防犯カメラの活用例が急激に進化しているように、コンピュータ制御による警備システム、AIの導入などの新しい技術も急速に進んでいる。これまで警備といえばタフな体力勝負の一面もあったが、今後はそうした最新システムに対応できる人材が求められていきそうだ。
データボックス
収入は?
平均年収は239~353万円。警備員はアルバイト、パートで採用される数が圧倒的に多いので、給与金額は低めに集計される傾向がある。
休暇は?
警備会社の正社員は週休二日も可能だが、アルバイト・パートはシフト制が多く、決まった休日が取れない場合も多い。現場によって、雨天は休日になってしまうケースもある。
職場は?
警備会社。そこから各現場に派遣される。
なるためチャート
警備員の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!