土地の「位置・形・面積・高さ」などを測る専門家。
こんな人にピッタリ!
同じ作業を何度もくり返すので、まじめでしんぼう強い人。コンピュータなど、日々新しくなる技術を使うことが好きな人。
どんな仕事?
土地を測り、工事や地図づくりのもとになる「測量図」を作成する
建設工事や土木工事に先立って、工事を行う土地の位置・形・面積・高さなどを測り、「測量図」という書類をつくるのが主な仕事。その測量図をもとにして建物や土地開発の設計図がつくられ、建設工事や開発計画が始まる。つまり測量士の仕事は、すべての工事のもとになる重要なものだ。測量の結果によっては工事計画が変わることもある。それだけに、正確さや高い精度が求められる仕事だ。
そんな測量士の仕事の内容は、大きく分けて2種類ある。屋外で作業する「外業」と、屋内で作業する「内業」だ。外業は、実際に工事予定地などへ行き、数人のチームでさまざまな機器を使って測量を行う仕事。内業は、事務作業のこと。「測量計画」を立てたり、外業で得た測量の結果を測量図にまとめたりする。
また、ビルを建てたり道路や橋をつくったりするのに必要な測量を「土木測量」というが、測量士が行う測量はほかにもある。地図をつくるための「地図測量」と、個人や会社などが所有する土地の面積を測る「地籍測量」だ。どの測量も、土地を測る作業の流れは同じで、仕事としては少し地味かもしれない。しかし、地図に残るなど公共性が高く、社会の役に立っている実感を得られる、とてもやりがいのある仕事と言えるだろう。
これがポイント!
測量士になる3つの方法
技術者として測量の仕事をするには、「測量士」または「測量士補」の国家資格が必要だ。上位資格である測量士の資格を得るには、大きく分けて3つの方法がある。1つは、測量士の国家試験に合格する方法。難易度は高いが、受験資格は特になく、誰でも受験できる。もう1つは、大学・短大・高専・専門学校などで測量について学んで卒業し、就職先などで決められた年数(大学は1年以上、専門学校は2年以上、短大・高専は3年以上)の実務を経験する方法だ。最後に、まず「測量士補」の資格を得てから、さらに学ぶことで測量士の資格を得る方法もある。ちなみに、測量士補になるには、大学・短大・高専・専門学校などで測量について学んで卒業するか、測量士補の国家試験に合格する2つの方法がある。さらに、測量士・測量士補として認められるには、資格を得るだけでなく、国土地理院に登録する必要がある。
測量士と測量士補は、できる仕事が異なる
測量士の資格には、測量士と測量士補の2つがあるが、どちらも国家資格で、技術者として測量の仕事ができるところは同じ。2つの差は、行うことができる仕事の内容だ。測量士は、測量作業の責任者として「測量計画」をつくることができる。一方、測量士補は、測量計画をつくることはできず、測量士が作成した測量計画の指示に従って測量をする。そのように、資格の位置づけとしては測量士の方が測量士補よりも上位とされている。だが、実際の作業で仕事の区分けがされているわけではなく、仕事の内容にあまり差異はない。
将来はこうなる
新たな技術や機器を使いこなす能力が必要になる
測量士は、将来にわたって必要とされる仕事だ。「土木測量」はすべての工事のもとになるので、新たなビルの建設工事だけでなく、上下水道の再整備など、出番は多い。また、インターネットなどで使われる地図をつくるのにも「地図測量」は欠かせない。さらに、土地取引をめぐる問題を防止するために、土地の境界を明確にする「地籍測量」も大切だ。
今後変化していくことが予想されるのは、測量技術だ。以前は光の反射を利用した2次元(平面)的な測量が主流だったが、現在はレーザースキャナーを利用する3次元(立体空間)的な測量に変わってきている。レーザースキャナーを乗せたドローンを飛ばして上空から測量することもある。今後はさらに技術が進歩するはずだ。そうした技術を誰もが簡単に使えるようになると、測量士が不要になるという声もある。これからの測量士に必要なのは、専門的な測量技術や知識に加えて、新たな技術や機器を使いこなす能力だろう。
データボックス
収入は?
平均年収は、437~485万円。所属する会社や独立開業している場合などで異なる。
休暇は?
所属する会社が週休2日制でも、現場で別の作業が行われている場合は昼休みや休日に測量作業を行うので、労働時間や休日は不規則になりがち。測量作業は数十日から数か月にわたることがあり、その間はあまり休みを取れず、交代で休暇を取ることもある。
職場は?
測量事務所、建設会社、不動産会社、官公庁。測量する現場。
なるためチャート
測量士の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!