中学生は子どもから大人への第1ステップ。びみょうに変化する生徒の心と体を受け止め「生きる力」を育むことが求められる。
こんな人にピッタリ!
多感な中学生と毎日付き合うわけだから、まず豊かな感性が必要。不登校やいじめへの対応、高校受験の進路相談もある。そのため、広い視野と一人一人の生徒とていねいに向き合う情熱と指導力が求められる。
どんな仕事?
仕事の幅は広く、すべての活動が信頼につながる業務
授業は専門科目を受け持つが、担任もやればクラブの顧問、生徒の生活指導に父母面談、各種学校行事の運営と、とにかく幅が広い。担当科目で分かりやすいしっかりした授業を行うことが第一だが、その上で、大人と子どものはざまでゆれ動く生徒たちの精神面の指導にも取り組むことで、生徒や父母からの信頼も得られる。一人一人の個性をしっかりつかみ、根気のある指導が求められる。
これがポイント!
大学の教育学部などで学び、教員免許の取得が必要
中学校教員になるには教員免許の取得が必要。免許状は教科ごとに分かれている。また大学の種類、修得単位数に応じ、専修(大学院卒が基礎資格)、1種(大学卒)、2種(短大卒)の3種類がある。大学の教育学部では、小学校教員課程に進んでも小学校と中学・高校の両方の免許が取得できる。
校長面接が最後の関門
公立中学校は、都道府県や指定都市の教育委員会が実施する採用候補者試験に合格し、候補者名簿に登録されると、欠員が出た中学校に採用される。ただし、成績上位者から校長面接を経ての採用なので、なかなか厳しい。私立の場合は、私立中学校高等学校協会が実施する私学教員適性検査の成績を、採用選考資料とする中学もある。
将来はこうなる
生徒数が減った分、質の高い教育が求められる
中学校の生徒数は減少を続けており、中学校教員の採用数は厳しい状況が続いていた。しかし教職員定数改善計画の推進で少人数指導が取り入れられるなど、今後は採用者数が増加するのではと期待されている。一方で、プログラミングなどICT教育に対応できるデジタルスキルや、いじめや不登校などの問題に向き合う姿勢など、教員の質的向上がいっそう求められていくだろう。
データボックス
収入は?
公立の中学校では地方公務員の給与規定に基づいて給与が支給されるため、勤務する自治体によって異なる。私立の中学校の給与は学校ごとに決められる。公立・私立中小学校をふくめた平均給与は、およそ711万円(勤続年数およそ12年7か月の場合)だ。国立校は国家公務員の給与法に基づく給与となる。
休暇は?
公立中学校は土・日曜日と祝祭日、年末年始が休み。夏・冬休みなどはあくまで生徒の休みで、教員は校内外の研修などへ参加する必要がある。そのため、いつもと変わらず出勤したり、仕事をする。生徒引率などで休日に出勤した際は、ふりかえ休日を取ることができる。
職場は?
公立の場合、採用された都道府県内の学校に着任し、異動も採用された地域内にかぎられる。他の地域で勤務したい場合は、改めて採用試験を受けて合格しなくてはならない。
なるためチャート
中学校教諭の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!