樹木の病気を治療する“緑の医者”。造園・林業界から引く手あまたの人気職業だが、合格率は約20%の狭き門。
こんな人にピッタリ!
自然が好きで、植物や樹木に関心がある人。植物、虫、菌などについて勉強することが好きな人。独立開業するためには、庭園や造園会社とのつながりも大事なため、人とのコミュニケーション能力も必要となる。
どんな仕事?
造園計画や街の緑化に一役買うことも
環境汚染や病害虫などによって弱くなった樹木を治療するのが、樹木医の主な仕事だ。また、宅地開発などで山を切り開く際に古木の移植を担当したり、街の造園計画や緑化計画にコンサルタントとして参画したりすることもある。治療だけでなく、病気の予防や保護・育成をおこない、担当する樹木は巨木や街路樹、一般家庭の庭木まで幅広い。
これがポイント!
合格者は毎年120人程度
樹木医になるには学歴は不問だが、樹木の保護、管理、診断・治療などの現場で7年以上の実務経験を積むことが必要。その上で「財団法人日本緑化センター」が主催する資格試験に合格する必要がある。まずは造園会社や大学の研究所などに就職して実務系経験を積もう。「樹木医」は、この日本緑化センターが商標登録している名称独占資格なので、試験に合格し、各都道府県に登録されて初めて名乗ることができる。樹木医試験は毎年の合格者数が120人程度で合格率約20%程度の狭き門。一発で合格するのは難しい、と覚悟しておこう。
樹木医補から樹木医を目指す道も
樹木医制度の充実をはかるため、若い世代を育てるために設けられたのが、樹木医を補佐する「樹木医補」という資格だ。樹木医補は、養成機関の認定を受けた専門学校や大学で所定の科目を履修し、卒業することで取得できる。樹木医補の資格を持っている場合は、1年以上の実務経験があれば、樹木医の試験を受けることができる。この制度の導入によって、若くして樹木医への道がひらけることになった。
将来はこうなる
環境問題への関心の高まりとともにニーズは増える
現状では、樹木医として独立できるケースは多くはないが、造園会社や農林業の団体、大学の研究機関や専門学校など、この資格をいかせる職場は増えている。地球規模での温暖化や環境破壊が進み、自然保護を考える上でも樹木への関心が高まっている。身近な公園などにある樹木から、国土の70%近くを占める森林まで、樹木の保護、管理はこれからの重要課題。専門知識を持つ樹木医の役割は、今後さらに増えていくと考えられる。
データボックス
収入は?
企業に勤務している場合は、その企業によって異なる。30~40代で年収200~400万円ぐらいで幅がある。会社によっては「樹木医」の資格を持っていると、手当てがついたりすることもある。
休暇は?
勤務する団体、企業によって異なる。フリーの場合は、依頼のあった日は出勤となるため、土日や祝日勤務となる可能性は高い。
職場は?
道路、公園、果樹園、雑木林、森林など樹木のあるところ。
なるためチャート
樹木医の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!