カメラマン(フォトグラファー)
こんな人 にピッタリ!
一瞬のシャッターチャンスを逃がさない鋭い感性と的確な判断力、そして軽快なフットワークを持っていること。時代の流れや流行に敏感なこと。重い撮影機材を持ち歩くこともあるので、体力も欠かせない。
どんな仕事 ?
人 から物 まで撮影 の対象 は様々
写真家を指す言葉に「カメラマン」がある。だが、それにはTVや映画などの映像・動画を撮影する仕事もふくまれる。ここでは、静止画の写真「フォトグラフ」を撮影する写真家である「フォトグラファー」を紹介しよう。フォトグラファーの仕事は、撮影する写真によって大きく二つに分かれる。一つは依頼主であるクライアントの要望に沿った内容で被写体を撮影する「商業写真」。もう一つはフォトグラファー自身の個性を写真に反映させながら被写体の魅力を表現する「芸術写真」。商業写真か芸術写真のどちらか一方を追求する人もいれば、商業写真で得た収入を芸術写真の撮影費用にあてるなど、撮影する写真は人によって様々。また、商業写真の被写体も、事件やスポーツなどの報道写真、広告用の商品や人物写真、結婚式や七五三の記念写真、個人のポートレートなど、こちらも様々。また、写真撮影用スタジオで撮影することもあれば、屋外に機材を運んで撮影することもある。屋外撮影の場合、カメラだけでなく照明用機材なども運ばなくてはならない。フォトグラファーには、写真撮影の技術だけでなく、体力も不可欠だ。
これがポイント!
就職 は狭 き門
フォトグラファーになるための特別な資格や試験はない。そんなフォトグラファーに必要なのは、写真撮影に関する専門的な技術と知識。それを身につけるには、芸術系大学・短大や専門学校の写真学科などで学ぶのが一般的だ。卒業後の進路の一つは、プロの助手や撮影スタジオの助手に就職すること。働きながらプロの撮影技術を学び、人脈を築きながら一人前のフォトグラファーを目指す。写真スタジオに勤務するなら、撮影スタジオが多い大きなスタジオがおすすめ。スタジオの数が多ければ、ファッションから商品撮影、イメージ広告など、幅広いジャンルの撮影に立ち会うことができるからだ。ほかの卒業後の進路として、フォトグラファーの主な仕事場となる新聞社や通信社、広告代理店やデザイン会社、撮影関連会社などに就職する道もある。ただし、募集は少なく、かなりの狭き門。また、新聞社などのマスコミ関係はフリーのフォトグラファーと契約することが多い。実力次第の厳しい世界だ。
フォトグラファーに役立 つ資格
カメラには、フィルムを感光させて撮影するタイプのフィルムカメラもある。フィルムを現像して印画紙に画像を焼きつけるのもフォトグラファーの仕事だ。ただし、現在の撮影機材はデジタルカメラが主流。フォトグラファー自身がパソコンでデジタル写真の修正や色調補正などの画像処理を行う機会も多い。Adobe社の画像編集ソフト「Photoshop」のスキルを身につけておくと便利だ。その技術を認定する民間資格に、サーティファイソフトウェア活用能力認定委員会が主催する「Photoshopクリエイター能力認定試験」がある。また、国家資格である技能検定制度の一つに「写真技能検定」がある。これは、試験に合格した者を「写真技能士」として、写真に関する技術と知識を証明するもの。ただし、その対象は、写真館で肖像写真を撮影・製作する仕事を対象としたもの。すべてのフォトグラファー向けではない。いずれもフォトグラファーに必須の資格ではないが、スキルを証明するものとして取得しておくのもいいだろう。
将来 はこうなる
フォトグラファーの仕事 はなくならない
スマートホンなどの高性能なデジタルカメラが普及し、誰もが手軽に写真を撮影できるようになった。だが、高い質を求められる商業写真には、写真撮影の専門家であるフォトグラファーの技術が欠かせない。プロのフォトグラファーの仕事がなくなることはないだろう。ただし、今後もデジタル技術は進歩していくので、アマチュアの写真もより高品質になる。それに負けないためにも、商業写真ならば、クライアントを満足させる技術をみがくのはもちろん、より魅力的なアイデアを提案する力など、プラスアルファの努力が必要だ。一方、現在はインターネットを通じて世界に発信できる環境がある。自分の個性を反映させた芸術写真を世界に発表するのもいいだろう。そのためにも、常日頃から感性を磨き、向上心を持つのを忘れないようにしよう。
データボックス
収入 は?
出版社や新聞社の専属カメラマンの場合は、所属する会社によって様々。平均年収は423~788万円。フリーの場合は出来高払いなので、人によって様々。平均年収は474万円ほど。
休暇 は?
専属カメラマンの場合は、勤める会社の規定によるが、撮影スケジュール次第では休日返上、撮影が深夜に及ぶこともある。
職場 は?
報道写真を担当する人は、各地の事件現場など。なかには戦場へ行く人もいる。商品写真や人物写真を担当する人は、撮影スタジオなど。撮影後は会社へ戻って撮影データを整理することもある。また、専属契約を結んだ結婚式場や写真館を仕事場にする人もいる。
なるためチャート
カメラマン(フォトグラファー)の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!