絵画修復士(保存修復師)
こんな人 にピッタリ!
注意力や集中力、根気のある人。手先が器用な人。美的センスのある人。
どんな仕事 ?
美術 品 である絵画 をきれいにして、元 の状態 にもどす
絵画修復士(保存修復師士)は、古くなって絵の具や画布などの画材がもろくなった絵画や、保管が悪くて傷ついた絵画などを、それ以上、悪くならないように手当をしたり、元の状態へもどしたりする。たとえば紙や絹の布に描かれた日本画の場合、カビやシミでよごれることが多いので、カビを殺菌し、薬品でシミ抜きを行う。だが、絵画には日本画以外にも油絵、壁画など、さまざまな種類がある。また、描かれた時代による画材や技法のちがいもある。絵画によって修復技法もさまざまだ。さらに、修復は、きれいにすればいいというものではない。修復する部分には、その絵を描いた画家の思いを表わすことや、油絵の場合は油絵ならではの技法や、経年によって生まれる絵の具の風合いを残すことなども求められる。美術館や絵画の持ち主と話し合い、よごれをどこまで落とすのかといった要望にこたえながら修復していく。元の絵と修復した部分ができる限りなじむように仕上げるのが腕の見せどころだ。
これがポイント!
絵画 修復 を学 べる美術 系 の大学 に進学
日本には、絵画修復士になるための資格はない。絵画修復を目指す人の一般的な進路は、美術系大学や大学院、専門学校の保存修復科に進学したり、絵画修復をする工房が開く教室を受講して、必要な技術や知識を習得する道。卒業後は、美術館や工房、美術品の保存や修復をうけおう会社に入り、絵画修復の仕事につく人が多い。そこで実績を積んでいくことになるが、一人前と認められるには長い年月がかかる。また、西洋美術の本場であるイタリアには、修復士の国家資格がある。油絵など西洋美術を修復するエキスパートを目指すのならば、イタリアの大学に留学して修復士の資格を取る道もある。ただし、入学が認められる人数は限られており、かなりの狭き門だ。もちろん、イタリア語の習得も欠かかせない。自分はどんな絵画を修復したいのかをよく考えて、進路を選ぼう。ちなみに、美術館や博物館に就職する場合は「学芸員」の資格を求められることもあるので、取得しておこう。
将来 はこうなる
古 い絵画 を大切 にしたい人 には欠 かせない存在 に
絵画修復士(保存修復師)は、日本では、国宝などの重要文化財を修復するイメージがある。修復にどれくらいお金がかかるのか分からないためか、大切な絵画を持っていても、個人的に修復をたのむ人は少ない。しかし、古いものを大切に長く残したいと考えている人は多い。絵画修復士という仕事の知名度と重要性がもっと広く知られるようになれば、活躍の場は増えていくだろう。
データボックス
収入 は?
経験や実績、修復するものによって収入はちがう。平均年収は400~530万円。
休暇 は?
週休二日制。ただし、いそがしい時期は休みが取りづらくなることも。
職場 は?
保存修復をうけおう会社、美術館、工房など。
なるためチャート
絵画修復士(保存修復士)の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!