会話のかけあいやネタのおもしろさで観客を笑わせる芸人。
こんな人にピッタリ!
人を楽しませることが好きな人。人前で恥ずかしがらずになんでもできる度胸のある人。下積みが続いてもくじけない、精神的にタフな人。
どんな仕事?
寄席や劇場、テレビなどで漫才を演じて“笑い”を生み出す
「ボケ」と「ツッコミ」という日本古来のかけ合い話芸をおこない、観客を笑わせるのが仕事だ。笑いの感覚は人それぞれ。漫才師はそのときの観客の反応を見ながら、自分たちの作ったネタにアドリブを交えるなど工夫して漫才を展開する。漫才は二人でやることが多いが、3人のトリオやそれ以上の人数でやることもある。活躍の場はさまざまで、寄席や劇場、テレビ、地方で開催される大小のイベント(お祭り、会社の慰労会、敬老会、ショッピングモールの催事など)のほか、最近ではYouTubeで芸を配信する漫才師も増えている。
上下関係がきびしく、実力がものをいう世界
芸人の世界は年齢ではなく、いつ芸人の世界に入ったのかで先輩後輩が決まる。上下関係がかなりきびしめ。また、芸がおもしろくないと仕事がなくなる、まさに実力がものをいう世界。出番前に漫才の台本に合わせ、相方とけいこをくり返し、漫才の完成度を高めることは不可欠だ。
これがポイント!
芸能プロダクションの養成機関でチャンスをつかむ
漫才師になるには、学歴や特別な資格は必要ない。かつては先輩漫才師に弟子入りしていたが、今は芸能プロダクションなどが運営する養成所に入所するのが一般的だ。養成所でがんばり、「売れそうだ」と判断されればプロダクション所属の芸人となり、バックアックしてもらえる。また、養成所を出なくても、テレビ番組や芸能プロダクションのオーディションを受けてチャンスをつかむ方法もある。
相方とのコミュニケーション能力
漫才は相方との相性も重要だ。二人できちんとコミュニケーションが取れなければ、面白いかけあいはできない。長く付き合っていける相方を見つけることも、成功には不可欠だ。古くからの友人だったり、養成所で見つけたりすることが多いようだ。
個性的でインパクトのあるネタ作り
漫才師は自分たちでネタを作るのが基本。個性とインパクトがあり、ウケる要素として、流行や世の中の動きをうまく取り入れたネタ作りが大切だ。本番では、多くの観客の前ではっきりとした口調で話せること、その場の空気を読んで、ネタをアレンジしたり、迅速に対応したりできることが求められる。
将来はこうなる
形は変わっても「笑い」は求められていく
近年のお笑いブームにのって、新しい漫才師が次々と生まれている。本来のかけあい漫才だけでなく、寸劇のようなコントに近いスタイルの漫才も人気だ。形は変わっても「笑い」で楽しませてくれる漫才という仕事は、これからも求められていくはずだ。漫才師にとって大切なのは、ひとつのネタでブームが終わってしまわないこと。常にアンテナを張りめぐらせ、時代の空気を取り入れながら、話芸を磨き続ける努力が必要だ。
データボックス
収入は?
中堅といわれる漫才師でも、劇場での1ステージのギャラは1万数千円程度。地方のイベントなどの営業は高めだが、毎日あるわけではなく、漫才だけで食べていくのは簡単ではない。中には年収数億円クラスの漫才師もいるが、これはバラエティ番組の司会(MC)をしたり、その番組の構成(ネタ作り)を放送作家やディレクターと一緒に考えることで可能になる。そうしうたカリスマ的漫才師はほんの一握りで、実際は、アルバイトで収入を得ている漫才師が圧倒的に多い。
休暇は?
基本、仕事優先なので、いつ休みが取れるかはわからない。売れっ子になれば休みを取るのがむずかしくなり、反対に売れない芸人は毎日が休業状態だ。
職場は?
寄席、ライブハウス、劇場、テレビ局、ラジオ局、地方で行われるイベントでの営業。最近は、自分たちの漫才を撮影し、動画配信する若手漫才師も増えている。
なるためチャート
漫才師の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!