テレビやラジオのバラエティ番組などを作るため、様々な企画やアイデアを出し、番組を進行させる台本を書く。
こんな人にピッタリ!
目標に向かって突き進む人。どんなことでも面白がれる人。面白いことを考えるのが好きな人。話し上手な人。
どんな仕事?
番組の企画、構成、台本作りなどを行う
ラジオやテレビで放送するバラエティ番組やドキュメンタリー番組、情報番組などの制作に関わり、番組の進行の流れと出演者のセリフやナレーションの言葉などを記した「台本」を書く仕事。番組の収録は台本に沿って行われるので、台本は番組の設計図のようなもの。それを書く放送作家の役目は重大だ。そんな放送作家の役目は台本を書くだけでない。番組全体や番組内のコーナーでどんなことをするのかという「企画」を考え、より面白くなるアイデアを提案するのも放送作家の役目だ。その仕事の流れは、まず、番組のスタッフが集まる「企画会議」に参加し、持参した企画を提案する。会議には複数の放送作家が出席するので、企画の採用をめぐる競争になる。自分の企画が採用されれば、会議で決まった企画の修正点などをふまえて台本を書く。バラエティ番組ならば、司会者が話題の方向をゲストへ向けるタイミングなど、番組を盛り上げるためのテンポやノリのよさを大切にしながら台本を仕上げるのだ。台本を書き上げた後も、収録に立ち会い、台本の一部を書きかえて収録がスムーズに進むように協力することもある。
これがポイント!
放送番組の台本を書く3種類の作家
放送作家によく似た仕事に「構成作家」がある。どちらもテレビやラジオの番組制作に関わる仕事であり、現在では、ほとんど同じ意味で使われていることが多い。あえてそれぞれの仕事を分けるなら、放送作家は「番組の演出を考えて出演者のセリフやナレーションの台本を書く仕事」、構成作家は「番組のコンセプト(基本的な考え方)や番組全体の流れ、コーナーの企画などを考える仕事」ということになる。だが実際には、放送作家が番組の企画を考えたり、構成作家が台本を書いたりすることもある。ラジオ番組では、構成作家と呼ばれることが多いようだ。それ以外の放送番組の台本を書く仕事には、テレビやラジオのドラマの台本(脚本・シナリオ)を書く仕事がある。ただし、この場合は「脚本家・シナリオライター」であり、放送作家とは呼ばれない。ちなみに、多くの放送作家や脚本家が集う文化団体「日本放送作家協会」は、「放送メディアで活動する作家」を「放送作家」と呼んでいる。
自分の企画やアイデアを発表するチャンスを作る
放送作家になるために特別な資格は必要ない。そのため、放送作家への入り口は広く、仕事につくまでの方法は様々だ。学校関係では、専門学校で学ぶ、放送作家のセミナーに参加する、放送作家の事務所などが開催する講座に通うという方法がある。実際に番組制作の現場で放送作家のノウハウを学ぶのならば、番組制作会社や放送作家の事務所に入社したり、直接放送作家に弟子入りする方法もある。かつては、ラジオ番組に投稿を続けることで番組スタッフやパーソナリティーに実力を認められて放送作家になった人もいる。また、面白いことを考えるのが得意なお笑い芸人が放送作家に転向することもある。大切なのは、面白い企画を考える発想力とそれを台本にするための文章力をきたえるとともに、自分をアピールして放送業界に人脈を作ること。自分の企画やアイデアを発表するチャンスを作ることが重要だ。
将来はこうなる
テレビやラジオに加えてネットにも無限の可能性が
放送作家が活躍するテレビやラジオの番組は、今後もなくなることはないだろう。また、現在はテレビの地上波や衛星放送だけでなく、インターネットの動画配信サービスもあり、番組の数も増えている。番組の制作に欠かせない「企画」を考えて「台本」を書く放送作家にとっては、活躍するチャンスといえるだろう。ところが、現在は若い世代を中心に地上波テレビを見なくなっている。インターネットに接続したテレビで動画投稿サイト「ユーチューブ(YouTube)」などの動画を楽しむ人も多いようだ。それに対応するために、企画に困っているユーチューバー向けに面白い企画を提供するサービスをはじめた放送作家もいる。テレビやラジオなどの放送メディアより自由度が高いインターネットの世界は、様々な企画を生み出す放送作家にとって、無限の可能性を秘めた発表の場かもしれない。
データボックス
収入は?
平均年収は400~740万円。仕事の単価は、番組ごとに決まっている場合や、使われた企画の数で決まる場合など様々。個人の能力や実績によっても大きく違い、新人のころは月収が数万円、売れっ子となれば月収が数百万円をこえる場合もある。
休暇は?
決まっていない。企画を考えたり資料を探したり、番組スタッフとの会議や打ち合わせをしたり、収録の現場に立ち合ったりする合間に休みを取る。
職場は?
テレビ局、ラジオ局、放送作家事務所、自宅の作業場など。
なるためチャート
放送作家の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!