イベントの全体的な方向性を決め、スタッフの人選や配置を行い、イベントが計画通りに進行するように管理、調整などをする責任者。
こんな人にピッタリ!
物事に熱中しやすい人。人が好きな人。たくさんの人と一緒に物事に取り組むのが好きな人。
どんな仕事?
イベントがまとまりを持って進むように全体的な指揮をとる
イベントとは「催し物」のこと。自宅に友達を招いて行う誕生日パーティー、商店街のお祭り、音楽コンサート、オリンピック。規模や目的はさまざまだが、どれもイベントだ。そうしたイベントを開きたいお客さんの注文を受けて、それぞれのイベント全体の指揮をとるのがイベントプロデューサーの仕事。イベントプロデューサーに似た仕事に「イベントプランナー」があるが、その役目は「どのような内容のイベントを開くのか」という企画を考えること。イベントプランナーが立案した企画を実際に運営するのがイベントプロデューサーの役目だ。ただし、イベントによってはイベントプロデューサーが企画と運営の両方を担うこともあるので、イベントプロデューサーもイベントを企画する能力が求められる。たくさんの情報を基にアイデアを練る力やさまざまな相手と話し合って説得する力が必要だ。また、イベント当日のイベントプロデューサーは、運営の責任者として大勢のスタッフに指示を出してイベント全体がまとまりを持って進むように指揮する。思わぬアクシデントも臨機応変に対応しなくてはならないので、その責任は重い。経験に裏打ちされた実力が必要だ。しかし、責任が大きい分、イベントが無事に成功した時の達成感はたまらない。
これがポイント!
社会学科やイベント関連の専門コースで学ぶ
イベントプロデューサーになるための特別な資格はない。ただし、イベントに関する知識や経験が求められるので、大学、短大の社会学科や専門学校の専門コースなどでイベントプロデュースを学ぼう。学生時代にイベントスタッフのアルバイトを経験する人もいる。しかし、アルバイトではイベントの企画や経営管理までは経験できない。学園祭などのイベントを自分で企画して運営する経験をしておくと、将来、役に立つかもしれない。卒業後は、広告代理店やイベント会社などに入社するのがふつうだ。とはいえ、入社後すぐにイベントプロデューサーになれるわけではない。イベントを総合的に取り仕切る方法を学ぶために、まずはプロデューサーの助手として実務経験を積んでいくことになる。
イベント検定試験に挑戦してスキルアップ
イベントプロデューサーに必ず必要というわけではないが、取得するための勉強をすることで専門知識が身について仕事にいかせる資格試験がある。イベント関連の人材育成を目的とした「一般社団法人 日本イベント産業振興協会」が行っている4つの試験だ。「イベント業務管理士」は、イベントの企画や運営に必要な職務能力を評価するもの。この試験だけは受験資格にイベントの実務経験が必要なプロ向けの資格だ。「イベント検定」は、イベントの企画や運営に関する基礎知識や基本スキルを身につけていることを認定するもの。「スポーツイベント検定」は、スポーツイベントの効果とマネジメントを学べる。「ユニバーサルイベント検定」は、年齢や性別、国籍、障害のあるなしに関係なく、誰もが楽しめるイベントにするための基礎知識や対応方法を習得できる。受験資格に実務経験が必要のない3つの検定は、学生や実務経験が浅い人のスキルアップに役立つだろう。
将来はこうなる
現実世界だけでなく、仮想空間でのイベントも増えていく
催し物がある限り、その運営に関わるイベントプロデューサーの仕事もなくなることはない。むしろ、これからは現実世界だけでなく、パソコンやインターネットのなかに作られた仮想空間を舞台にしたイベントを運営する機会も増えていくだろう。現在は、仮想空間で提供されるサービスである「メタバース」が注目を集めている。そこで遊ぶ人は、アバターと呼ばれる自分の分身のキャラクターで参加し、アバター同士の会話や仮想空間内のお店での買い物などを楽しめる。現実世界と違って世界各国から気軽に参加できるので、そうしたメタバース参加者に向けてのイベントを開催したいお客さんも増えていくことだろう。将来は、現実世界と仮想世界を行き来するような、SFのようなイベントを手がけることになるかもしれない。
データボックス
収入は?
平均年収は514~630万円。経験が重視されるので、経験の多さや仕事のスキルによっては高収入を目指すことができる。
休暇は?
週休二日制が基本。イベントが休日に開催されたり、夏や年末年始などイベントが集中する季節には、仕事の合間に休暇を取ることもある。
職場は?
広告代理店、イベント企画会社、イベント開催中はその現場など。
なるためチャート
イベントプロデューサーの仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!
実際に働いているイベントプロデューサーの仕事を見てみよう!