日本の独立や国民の平和を守る陸上自衛隊に所属する自衛官。災害にあった人やその地域を助けたり、国の大切な行事を警備したりする。また不発弾の処理や、国際貢献を行うなど、仕事は幅広い。
こんな人にピッタリ!
人のため、国のために役に立ちたい人。体力に自信があり、自分をきたえたい人。
どんな仕事?
日本の陸上を守り、国内・海外の困った人たちを助ける
陸上自衛官は日本の陸上を守るのが主な仕事だ。日本の自衛隊には陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の3つがあるが、一番人数が多いのが陸上自衛隊である。地上を中心に活動する「普通科」、患者を医療施設に運んだり治療したり、隊員の健康管理などを行う「衛生科」、道路や橋などをつくる「施設科」など、全部で16科に分かれている。地震や洪水、火山の噴火が起きた時、あやしい船や飛行機が日本に近づいてきた時はもちろん、海外で起きた戦争で荒れ果てた町を建て直す時などに、それぞれの科が役割を持って出動するのだ。その出動には危険がともなうため、日々厳しい訓練をして心と体をきたえている。
これがポイント!
自衛官の採用試験を受ける
陸上自衛官になるには、自衛官の採用試験を受ける必要がある。採用試験は、学歴によっていくつかのコースがある。自衛官には、「士」から「将」まで16階級があり、学歴によって、スタートする階級と級の上がるスピードが変わってくる。ちなみに学歴が高い方が、高い階級からスタートすることになる。採用試験は基本的に、筆記試験と口述試験、身体検査、適正審査などである。
防衛省の学校・教育機関に進学する
中学校卒業後、「陸上自衛隊工科高等学校」という、3年間の高等学校教育と共に、将来陸上自衛官になるべく養成する学校に進学する道もある(男子のみ)。また、将来、幹部自衛官を目指すなら、高校卒業後、自衛隊の実践的なスキルとなる学問を学ぶ「防衛大学校」や、医師として自衛隊活動に従事する「防衛医科大学校」など、防衛省の教育機関に入るといいだろう。いずれも学費・入学金が無料で、在学中は特別国家公務員として学生手当(収入)がもらえる。
将来はこうなる
日本になくてはならない存在、ますます存在感が強まる
陸上自衛隊の今後の防衛力のあり方について、現在さまざまな観点から幅広い話し合いが行われている。なぜならば、テロなどが起きる恐れや、近くの国々との関係性も緊張感が高まっているからだ。また、地球規模の気候変動などによる大規模な自然災害の発生にも備えるなど、陸上自衛隊は今の日本になくてはならない存在と言える。自衛官の行動する範囲がますます広がる可能性を考えなくてはならない。陸上自衛隊は対応すべきあらゆる事態に備え、十分な活躍をできるように役割や組織の体制を見直すことも出てきそうだ。
データボックス
収入は?
初任給は、自衛官の場合、高卒で月に17万9200円、大卒で19万8100円。幹部候補生の場合は、大卒で月に22万円くらいから、大学院卒で24万円くらいから。自衛官になったルートによってちがってくる。また、防衛大学校などの学生には11万7000円、陸上自衛隊工科高等学校の生徒には10万3700円の学生手当が毎月支給される。
休暇は?
原則として週休二日。災害派遣や訓練によっては休日でも勤務しなくてはならないが、代休をもらえる。
職場は?
全国に約160か所ある自衛隊駐屯地など。
なるためチャート
陸上自衛官の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!