人が生活する場所や活動する場所を、ほかの場所に移す作業を手伝う。
こんな人にピッタリ!
体力に自信がある。責任感がある。気配りができる人。
どんな仕事?
お客さんの様々な荷物を運ぶ、引っこし作業を手伝う
住居や事務所を別の場所へ移すとき、元の場所から家具や荷物を運び出してトラックなどで運送し、新しい場所へ運び入れるのが仕事だ。引っこしを考えているお客さんから連絡を受けると、担当者が実際にお客さんの元を訪問したり、電話やインターネットを通じて、費用はいくらくらいかかるのかを示す「見積もり」を伝える。引っこし業者は、何社からも見積りを取っているお客さんに選んでもらうために激しいサービス合戦をしている。費用を安くおさえるだけでなく、荷造り用のダンボール箱を提供したり、すべての荷造りをお客さんに代わって行うのもサービスのひとつだ。仕事を受けた場合は、運送を担当するチームが決められた日時にお客さんの元を訪れ、引っこし作業を行う。荷物を運ぶには、体力や根性は欠かせない。また、移動中に建物や家財道具を傷つけたり壊したりしないために、注意深さや気配りの心も大切。さらに、作業は一人では行えないので、大勢の仲間と作業するためのチームワークも必要だ。
これがポイント!
引っこし業者の会社に入って一人前になる
引っこし業者になるために、特に資格は必要ない。なるための方法としては、引っこし業者の会社に入社するのが一般的。引っこし業者は、目的地まで人や荷物を運ぶ仕事である「運送業」のひとつ。引っこしを専門に行う運送業者が引っこし業者だ。引っこし業者がほかの運送業者と違うのは、手早くていねいに引っこし作業が行えるようにスタッフを教育していること。スタッフは、タンスの持ち方、荷物を包む方法、ガラスを安全に運ぶ方法、建物を傷付けない方法などを覚えなくてはならない。また、引っこしをする家は、いろんな場所、環境、条件がある。どんな状況でも対応できるように経験を積むことが大切だ。そのため、一人前になるには5年はかかると言われている。
トラックを運転するには自動車免許が必要
引っこし業者は、社員が運転するトラックで荷物を運ぶ。引っこし作業を手伝うために同乗する者には不要だが、トラックを運転するには「自動車免許」が必要だ。自動車免許には「普通」「中型」「大型」の3種類があり、それぞれ運転できる自動車の総重量が決まっている。小規模な引っこしで使われる1~2トンの小型トラックは普通免許で運転できる。だが、日本で一番使われている通称「4トン車」と呼ばれるトラックを運転するには中型免許が必要で、中型免許では運転できない大型トラックを運転できるのが大型免許だ。また、取得できる年齢や免許保有年数も決まっている。普通自動車免許は18歳以上で取得できるが、中型自動車免許は20歳以上で普通免許を持っている期間が2年以上。大型自動車免許は21歳以上で普通免許を持っている期間が3年以上となっている。引っこし業者を目指すのなら、中型免許を取得すると仕事の幅が広がるだろう。
将来はこうなる
きちんと仕事ができる引っこし業者が生き残る
少子化や人口減少によって、引っこし業者の業界はいつも人手不足。また、政府が推進する「働き方改革」で長時間労働が規制され、引っこしが集中する時期などはお客さんが希望する日に引っこしできないことも多い。引っこし業者同士の受注競争は激しくなる一方だ。そこで、家電の販売、電気工事、不要家電のリサイクルなど、それぞれの引っこし業者は色々なサービスを行なっている。とはいえ、引っこし業者に大切なのは、手早く、確実に安全に荷物を運ぶこと。ていねいな仕事をすることが、お客さんに満足してもらえて、次の仕事の機会につながるのは変わりないだろう。
データボックス
収入は?
平均年収は320~390万円。それぞれの会社の規程にもよるが、大型自動車免許を取得して大型トラックを運転できると、より高額な収入を期待できる。
休暇は?
日曜日や祝日に引っこしするお客さんが多いため、休みを取るのは基本的に平日だ。休みの取り方は会社によってまちまちだが、引っこしが多い3月などは休みが取りづらいことも。
職場は?
お客さんの家や会社、引っこし業者の事務所など。
なるためチャート
引っこし業者の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!