ペンションのオーナーになって、宿泊施設を経営する。四季折々に変化する自然いっぱいのリゾート地で、趣味を楽しみながら暮らせるのが魅力。
こんな人にピッタリ!
自分から進んでやるタイプ。人が好き。接客が好き。手先が器用な人。体力がある人。
どんな仕事?
自分の趣味を活かした接客で、泊りに来たお客さんをもてなす
ペンションは、主に家族で経営される小規模な宿泊施設である「民宿」の一種。建物の外観や内装が西洋風で、食事も西洋料理を提供することが多い。海や山や高原などのリゾート地にあることが多く、そこへ遊びに来たお客さんにアットホームなもてなしを提供するのがペンションのオーナーの仕事だ。お客さんの世話をする接客、部屋のそうじ、ベッドメーキング、洗濯、食材の仕入れや調理、配膳など、やるべき作業はとても多い。また、ホームページで自分のペンションや周辺情報をアピールしたり、旅行雑誌に情報をのせてもらうなどの宣伝活動も欠かせない。とくに個人で経営するペンションは、オリジナリティーがあることが大切だ。人気があるペンションのオーナーは、スポーツ、写真、日曜大工、バードウォッチング、登山、釣り、料理といった、センスのよい趣味を持ち、それを自身のペンションの魅力としてうたっている。それがお客さんの心をつかみ、「また泊まりに来るね!」と言ってもらえることがペンションのオーナーにとってのやりがいだ。
これがポイント!
開業には各種許認可と資金が必要
ペンションは、ホテルや旅館と同じように「旅館業法」という法律を守って営業しなくてはならない。ペンションを経営するための特別な資格はなく、学歴も不要だが、宿泊業経営に役立つ知識を学べる大学の学部や専門学校もある。そうした学校で宿泊業経営の基礎を学ぶのもいいだろう。ちなみに旅館業を開業するには、申請書類を自治体に提出し、都道府県知事か市区町村長に許認可を受ける必要がある。旅館業の許認可は施設の規模や種類によって4種類あり、ペンションの場合は「簡易宿所営業許可」が必要だ。ほかにも、食べ物や飲み物を提供するために食品衛生責任者の資格を取得しなくてはならない。また、従業員もふくめて収容人員が30人以上の場合は、防火管理者の資格も必要になる。そして、保健所の営業許可を受けることで営業が可能になる。さらに、開業資金として最低3000万円くらいのまとまったお金が必要だ。そのため、資金を貯めたサラリーマンが転職して開業することが多い。
開業前にペンションの事業計画を念入りに考える
開業前にどんなペンションにするのかという、事業計画をあれこれ考えることが大切だ。自分がペンションを経営したいリゾート地ではどんな宿が流行っているのかをリサーチ。そして自分のペンションは何を売りにするのかを考えておくことも大切だ。静かな大人のふんいきでカップルを取りこむか、アットホームをうたって家族連れやグループを取りこむかといった、ターゲットをしぼりこんだりするのだ。そこで、まずは自分好みのペンションを経営するオーナーのホームページなどから情報を集めたり、その土地へ行ってペンションで働いてみるのもいいだろう。実際に仕事を体験することで、自分が経営したいペンションのアイデアが具体的に見えてくるかもしれない。
将来はこうなる
お客さんの心をつかむ努力と工夫が大切
ペンションの魅力の一つは、一般的なホテルや旅館よりも安価な宿泊料金。グレードの高いサービスを提供できれば、ホテルや旅館並の価格にしてお客さんを集めることもできる。しかし、一般的なペンションが高級感を売りにするのはなかなか難しい。そこで、自分のペンションを選んでもらえるようなサービスでお客さんの心をつかむ努力と工夫が大切だ。例えば、ほかでは食べられないオリジナルの料理とか、オーナーの趣味を活かした陶芸教室を受けられるなど「このサービスで、この料金は安い!」と思ってもらえるペンションが生き残っていくだろう。
データボックス
収入は?
平均年収は340~387万円。ゴールデンウィーク、夏休み、お正月といった長期休暇がある月はお客さんが集中するので収入も多いが、他の月は週末だけの営業になることもある。仕事がない時は、近くの農場などでアルバイトをすることもあるようだ。
休暇は?
お客さんがいない日が休日。自由に使える時間はサラリーマンより多い。
職場は?
なるためチャート
ペンション経営の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!