会社や団体のトップに立つ人たちが仕事に専念できるように、さまざまな調整をしたり雑用をこなしたりする補佐役。上司をかげで支える、えんの下の力持ち。
こんな人にピッタリ!
周囲に気配りができる人。手助けすることが好きな人。責任感のある人。
どんな仕事?
いそがしい上司を細やかにサポートする
会社の社長や役員、医者、政治家、弁護士など、担当する上司が仕事に集中できる環境を整えるのが秘書の仕事。重要な仕事を担う経営トップなどは、来客対応や出張、接待など、大変いそがしい毎日を送っている。それをサポートする秘書の仕事も多方面にわたり、そこが一般的な事務職とは違う秘書の仕事の特色だ。秘書の主な仕事としては、上司への電話やメール、郵便物の処理。上司のスケジュール管理や調整。会議資料などの文書作成や管理。来客対応や年賀状など季節の挨拶状の作成ほか、接待交際のサポートなど、細かくて幅広い。そうした様々な仕事を機転を利かせてこなすことが大切な仕事だ。また、会社や団体によって違うが、一人の秘書が一人の上司を担当する「個人秘書」と、秘書室などのチームで複数の上司を手助けする「グループ秘書」がある。
これがポイント!
秘書にふさわしいスキル(技能や能力)をみがいておく
秘書になるには、特に資格は問われない。秘書が活躍する場は様々あるが、代表的なところは一般企業だ。そこで秘書を目指すなら、まずは大学や短大、専門学校を卒業して就職しよう。ただし、秘書は様々なスキルが求められるため、新入社員を秘書として採用するところは少ない。入社して数年は各企業の仕事や社会人としての経験を積み、秘書になりたいという希望が認められると「秘書室」や「秘書課」などに配属されるのが一般的だ。新入社員の段階で秘書を希望するアピールとして、秘書の基礎知識や技能が学べる大学や短大、専門学校で基本的なスキルを習得しておく方法もある。グループ秘書のアシスタントならば、未経験者でも採用される可能性がある。また、公益財団法人実務技能検定協会が認定する民間資格に「秘書技能検定試験」があり、秘書としての技能や判断力、知識以外のビジネスの場での振る舞いなどを証明してくれる。さらに、国際的に活躍する秘書に不可欠な英語能力を認定する資格として一般社団法人日本秘書協会が認定する「CBS(国際秘書)検定」がある。将来、秘書としてのスキルアップを目指す場合に取得しておきたい資格だ。
接客マナーはもちろん、気配りのできる人が有利
秘書は、上司や会社にとって大切なお客さんの対応をすることも多い。そんな秘書に向いているのは、的確な判断力と細やかな気配りができて、正しい接客マナーを身につけた清潔感のある明るい人。また、重要な書類と接することも多いので、紛失したり秘密をもらすことのない、責任感があることも必要だ。また、接待などで帰宅時間が不規則になるなど、ハードスケジュールにたえられる体力も求められる。さらに、緊急事態が起きた時、冷静に対処ができる判断力と、素早く行動できる積極性のある人が望まれる。
将来はこうなる
オンライン化が進んでもコミュニケーション能力は不可欠
最近は、インターネットを活用した「オンライン秘書」というサービスが増えている。秘書は自宅など好きな場所にいて、チャットやWEB会議などを利用して上司と連絡を取り、スケジュール調整や会議の資料や議事録の作成などを行うのだ。一方、リモートワークが進む会社では、人間関係がとぼしくなることに不安を感じ、人と人とのつながりを大切にしようという考えが強くなっている。人間関係をスムーズにする能力や仕事場での常識、豊かな人間性が求められるので、サポートが得意な秘書の果たす役割は期待されていると言えるだろう。また、一般企業の秘書として経験を積んでから、弁護士秘書、医療秘書、法律秘書、国会議員政策担当秘書など、専門職の秘書に転職することもできる。各業種の専門的な実務を覚えなくてはいけないが、秘書の基本的な能力やコミュニケーション能力はほかの業種でも歓迎されるだろう。
データボックス
収入は?
平均年収は484~527万円。専門性の高い仕事であるため、一般事務よりもやや高め。会社によっては、高い英語力などの高度な技術と知識があれば、資格手当を支給する会社もあり、努力次第では収入アップも望める。
休暇は?
会社にもよるが、基本的に週休二日制。個人秘書の場合、担当する上司の休みに合わせて休暇を取ることもある。
職場は?
一般企業の秘書室、外資系企業、弁護士事務所、病院、政治家事務所など。
なるためチャート
秘書の仕事につくための主なルートが一目で分かるチャートだよ!