さくらのその【桜の園】 ロシアの作家チェーホフが書いた戯曲(ぎきょく)。1904年初演(しょえん)。ラネーフスカヤ夫人は先祖(せんぞ)からつたわる領地(りょうち)「桜(さくら)の園(その)」を手ばなすまいとするが,時代の変化(へんか)についてゆけず,農奴(のうど)あがりの成金(なりきん)ロパーヒンに買いとられてしまう。ラネーフスカヤ夫人に代表される没落貴族(ぼつらくきぞく)と,ロパーヒンに代表される新興(しんこう)階級を対比(たいひ)させつつ,すべてをすてて強く生きようとする夫人の娘(むすめ)アーニャを象徴的(しょうちょうてき)にえがいている。