全天の恒星の配置を,88の領域に分けたもの。地球から見た星座の位置は時間によって変化するが,それぞれのならび方は不変である。ふつう,1つの星座の中で明るい星から順にα,β,γ…とギリシャ文字をつけて表す。
〔星座の起源〕
星座の
概念は,今からおよそ5000年前に古代メソポタミア人によって
初めて考え出されたといわれている。しかし,
現在の
星座の
直接の
基礎となったのは,ギリシャ時代の終わりにプトレマイオスによって決められた,48
個の
星座である。その後,時代の
移り
変わりとともにさまざまな
修正がくわえられ,
現在では,
星座の数は合計88
個に整理されている。
〔星座と神話〕
星座図にえがかれている人物や動物,
器具などには,ギリシャ時代の神話や伝説と
結びつけられているものが多い。オリオンは,月の女神アルテミスに
愛された美男の
狩人であり,
七夕伝説の
織女(ベガ)とけん
牛(アルタイル)は,ギリシャ神話では,それぞれ悲しい
楽人オルフェウスの
琴と,トロヤの少年ガニメデをさらうために大神ゼウスが
変身した大ワシとされている。
〔星座の見かけの動き〕
地球が自転していることにより,夕方に東の空からのぼってきた
星座は,時間とともに南の空に
移動して,明け方に西の地平線にしずんでいくように見える。また,地球の公転にともない,夜空に見える
星座は
季節により
移り
変わっていく。天球上の太陽の通路がいわゆる
黄道で,この
黄道にそった12
個の
星座を
黄道12
星座といい,天球上で太陽と正反対
側にある
星座が,その日の真夜中に南中することになる。