クマのひみつQ&A~どんな動物?編~

クマのひみつQ&A~どんな動物?編~

クマが山(やま)から街(まち)へ出(で)てきて、人間(にんげん)とトラブルになることが近年(きんねん)増(ふ)えています。絵本(えほん)やアニメのキャラクターとして親(した)しみもあるクマですが、人間(にんげん)が襲(おそ)われるというニュースを聞(き)くと野生(やせい)動物(どうぶつ)の怖(こわ)さや強(つよ)さを感(かん)じてしまいます。これからのクマと人間(にんげん)の関係(かんけい)を考(かんが)えていくうえで、まずは相手(あいて)のことを知(し)ることが第(だい)一歩(ぽ)。ここでは、クマはどんな動物(どうぶつ)なのか、その基本(きほん)をQ&Aで学(まな)んでいきましょう。

「クマのひみつQ&A~どうして街(まち)に?編(へん)」はこちら

日本(にほん)で増加(ぞうか)中(ちゅう)/植物(しょくぶつ)中心(ちゅうしん)の雑食(ざっしょく)

Q1 日本(にほん)にはどんなクマがいるの?

クマの生息分布図
クマの生息(せいそく)情報(じょうほう)がある地域(ちいき)(出典(しゅってん):環境省(かんきょうしょう)自然(しぜん)環境(かんきょう)局(きょく)生物(せいぶつ)多様性(たようせい)センター「平成(へいせい)30年度(ねんど)(2018年度(ねんど))中(ちゅう)大型(おおがた)哺乳類(ほにゅうるい)分布(ぶんぷ)調査(ちょうさ)」の調査(ちょうさ)データから製作(せいさく))

日本(にほん)にはヒグマとツキノワグマの2種類(しゅるい)のクマがいます。
ヒグマは北海道(ほっかいどう)に1万(まん)2000頭(とう)くらい、ツキノワグマは本州(ほんしゅう)と四国(しこく)に4万(まん)2000頭(とう)くらいいると考(かんが)えられます(※1)。本州(ほんしゅう)は千葉県(ちばけん)以外(いがい)のすべての都府県(とふけん)、四国(しこく)は徳島県(とくしまけん)と高知県(こうちけん)にいます(※2)。

※1 環境省(かんきょうしょう)「クマ対策(たいさく)被害(ひがい)等(など)について」
※2 環境省(かんきょうしょう)自然(しぜん)環境(かんきょう)局(きょく)生物(せいぶつ)多様性(たようせい)センター「平成(へいせい)30年度(ねんど)(2018年度(ねんど))中(ちゅう)大型(おおがた)哺乳類(ほにゅうるい)分布(ぶんぷ)調査(ちょうさ) 調査(ちょうさ)報告書(ほうこくしょ)」

Q2 クマは増(ふ)えているの?

日本(にほん)のヒグマもツキノワグマも近年(きんねん)は数(かず)が増(ふ)えていて、クマが住(す)んでいる地域(ちいき)も広(ひろ)がっています。
ただツキノワグマは、九州(きゅうしゅう)では既(すで)に絶滅(ぜつめつ)してしまい、四国(しこく)でも絶滅(ぜつめつ)しそうです。世界(せかい)にクマは8種類(しゅるい)(ヒグマ、アジアクロクマ(ツキノワグマ)、アメリカクロクマ、ナマケグマ、マレーグマ、アンデスグマ、ホッキョクグマ、ジャイアントパンダ)いますが、絶滅(ぜつめつ)が心配(しんぱい)される種類(しゅるい)も多(おお)いです。

Q3 クマはどこに住(す)んでいるの?

クマは、山(やま)や森(もり)に住(す)んでいます。
群(む)れはつくらず、なわばりもなく、それぞれが食(た)べ物(もの)を求(もと)めて広(ひろ)い範囲(はんい)を動(うご)き回(まわ)ります。野生(やせい)での寿命(じゅみょう)はヒグマが20才(さい)くらい、ツキノワグマは15~20才(さい)と考(かんが)えられています。

Q4 クマは何(なに)を食(た)べるの?

肉(にく)も植物(しょくぶつ)も食(た)べる雑食(ざっしょく)で、食(た)べているものの9割(わり)は草木(くさき)や木(き)の実(み)といった植物(しょくぶつ)です。
ヒグマは、サケやマスもよく食(た)べます。
クマはもともと肉食(にくしょく)ですが他(ほか)の動物(どうぶつ)を追(お)いかけて襲(おそ)って食(た)べることは得意(とくい)としていません。歯(は)も、肉(にく)を食(た)べやすいとがった牙(きば)と、ドングリなどを砕(くだ)きやすい平(たい)らな奥歯(おくば)を持(も)っています。
春(はる)は、草(くさ)の若芽(わかめ)や、冬(ふゆ)に死(し)んだシカなどを食(た)べます。夏(なつ)は、食(た)べられる草木(くさき)が減(へ)るので、アリやハチなどの昆虫(こんちゅう)も食(た)べます。秋(あき)は、冬眠(とうみん)へ向(む)けてエネルギーを蓄(たくわ)えるために、ドングリなどをたくさん食(た)べます。冬(ふゆ)は、冬眠(とうみん)して、その間(あいだ)は何(なに)も食(た)べません。

Q5 クマは冬眠(とうみん)するの?

クマは食(た)べ物(もの)の少(すく)ない冬(ふゆ)に、数(すう)か月(げつ)にわたって、冬眠(とうみん)します。
土(つち)に掘(ほ)った穴(あな)や、木(き)の根元(ねもと)の穴(あな)、洞(どう)くつのような岩(いわ)の穴(あな)で冬眠(とうみん)します。
冬眠(とうみん)中(ちゅう)にメスのクマは子(こ)グマを生(う)みます。初夏(しょか)の5~6月(がつ)ごろが交尾(こうび)の季節(きせつ)で、秋(あき)にたくさん食(た)べ物(もの)を食(た)べられて、たっぷり栄養(えいよう)をたくわえられた冬(ふゆ)にだけ妊娠(にんしん)、出産(しゅっさん)します。1回(かい)の出産(しゅっさん)で1~2頭(とう)を生(う)みます。

頭(あたま)が良(よ)くて、速(はや)くて、力強(ちからづよ)い

Q6 クマはどんな性格(せいかく)なの?

クマの性格(せいかく)は「警戒(けいかい)心(しん)が強(つよ)い」「慎重(しんちょう)」「おくびょう」などと表現(ひょうげん)されます。
例(たと)えば、山(やま)で人間(にんげん)が近(ちか)づいたときは、クマが先(さき)に人間(にんげん)に気(き)づいて、出合(であ)わないように立(た)ち去(さ)ってくれているようです。
ただ、食(た)べ物(もの)にはとてもこだわり、「おいしい」と思(おも)ったものを得(え)るためや、「自分(じぶん)のものだ」と思(おも)ったものを守(まも)るためには、とても攻撃的(こうげきてき)になります。

Q7 クマは頭(あたま)が良(よ)いの?

クマは学習(がくしゅう)能力(のうりょく)や記憶力(きおくりょく)が高(たか)く、イヌより頭(あたま)が良(よ)いともいわれます。
特(とく)に食(た)べ物(もの)について、見(み)たり、においをかいだり、経験(けいけん)したことをよく覚(おぼ)えているようです。

Q8 クマの大(おお)きさはどれくらい?

ヒグマは日本(にほん)の陸上(りくじょう)でもっとも大(おお)きい野生(やせい)動物(どうぶつ)です。
ヒグマもツキノワグマもオスの方(ほう)がメスよりも大(おお)きく、ヒグマの大人(おとな)のオスは、体長(たいちょう)150~200㎝(※3)、体高(たいこう)70~120㎝(※4)、体重(たいじゅう)150~250kgほどです。後(うし)ろ足(あし)で立(た)ち上(あ)がると3mほどになることもあります。
ツキノワグマの大人(おとな)のオスは体長(たいちょう)120~150㎝、体高(たいこう)50~60㎝、体重(たいじゅう)50~120㎏ほどです。
ヒグマはサケやマスなど栄養(えいよう)が豊富(ほうふ)なものを食(た)べるので体(からだ)が大(おお)きくなり、ツキノワグマは木(き)の実(み)を食(た)べるときに木登(きのぼ)りなどしやすいよう小(ちい)さめの体(からだ)になっているようです。

※3 体長(たいちょう)は、四(よ)つ足(あし)で立(た)った状態(じょうたい)の鼻先(はなさき)から尻尾(しっぽ)の先(さき)までの長(なが)さ。
※4 体高(たいこう)は、四(よ)つ足(あし)で立(た)った状態(じょうたい)の地面(じめん)から、背中(せなか)の一番(いちばん)高(たか)いところまでの高(たか)さ。

クマと人間の大きさの比較図

Q9 クマは強(つよ)いの?

クマは、スピードもパワーも、人間(にんげん)より優(すぐ)れています。
例(たと)えば、大(おお)きく、重(おも)い体(からだ)でありながら、時速(じそく)40~50km、100mを9秒(びょう)の速(はや)さで走(はし)れるようです。木登(きのぼ)りもでき、川(かわ)や海(うみ)を泳(およ)ぐこともできます。ヒグマは穴(あな)を掘(ほ)るため、ツキノワグマは木(き)に登(のぼ)るために使(つか)うことが多(おお)いですが、それぞれ鋭(するど)い爪(つめ)もあります。
臭(にお)いをかぐ力(ちから)はイヌよりも優(すぐ)れていて、音(おと)にも敏感(びんかん)だといわれています。
日本(にほん)ではオオカミが絶滅(ぜつめつ)したため、クマに天敵(てんてき)はおらず、陸上(りくじょう)生態系(せいたいけい)の頂点(ちょうてん)です。

参考(さんこう)資料(しりょう)

・『にっぽんのクマ』(山﨑(やまざき)晃司(こうじ)監修(かんしゅう)、2025年(ねん)、カンゼン)
・環境省(かんきょうしょう)「豊(ゆた)かな森(もり)の生活者(せいかつしゃ) クマと共存(きょうぞん)するために」

取材(しゅざい)協力(きょうりょく)・監修(かんしゅう):小坂井(こざかい)千夏(ちなつ)さん

農研機構(のうけんきこう)畜産(ちくさん)研究(けんきゅう)部門(ぶもん)動物(どうぶつ)行動(こうどう)管理(かんり)研究(けんきゅう)領域(りょういき)動物(どうぶつ)行動(こうどう)管理(かんり)グループ主任(しゅにん)研究(けんきゅう)員(いん)。日本(にほん)クマネットワーク事務局(じむきょく)、日本(にほん)哺乳類(ほにゅうるい)学会(がっかい)員(いん)。ツキノワグマの行動(こうどう)と、ドングリなどの堅果(けんか)類(るい)の豊作(ほうさく)・凶作(きょうさく)との関係(かんけい)などについて研究(けんきゅう)。

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