松井玲奈さんに聞いた!将来の夢がある子どもたちにすすめたい本って?【読書推せん文リレー第1回】
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そんなとっておきの一
・おすすめしたい本と、おすすめの理由を書いた推せん文をバトンにして、リレーをつないでいくよ。
・登場するのは学研キッズネットに所属する「探Qキッズ」3名と、いろいろな分野で活躍している著名人の3名。
・次のゲストに読んでほしい本の推せん文を書いてもらって、次のゲストには読んだ感想も聞いていくよ!
第 1回 ゲスト 松井玲奈 さん
2008年にデビュー。アイドルグループSKE48を卒業後、役者だけでなく、小説『カモフラージュ」『累々』、エッセイ『ひみつのたべもの』を刊行するなど幅広い分野で活躍中。現在は小説すばるにて、『カット・イン/カット・アウト』を執筆連載しているよ。
憧 れていた“はじめてのおつかい”。成功 して自信 になった!
私の両親はすごく忙しかったので、小さい頃は絵本の読み聞かせをしてもらう時間が、お母さんと一緒に過ごせる大切な時間でした。
お家の本棚にはたくさんの本が並んでいたから、自分でも興味がある本を手に取って読むようになりました。ゲームは特別な時にしか買ってもらえなかったけれど、本はどんな時でも買ってくれた。そういう環境もあって読書が大好きになりました!
なかでもお気に入りだったのが『はじめてのおつかい』(作:筒井 頼子、絵:林 明子/福音館書店)という絵本。主人公のみいちゃんがお母さんにたのまれて牛乳を買いに行くというお話です。
私には兄がいたので、おつかいに行くのはいつもお兄ちゃん。それがうらやましくて、『はじめてのおつかい』を読むたびに、いつか私も行きたい!と思っていました。小学校に上がったころはじめておつかいを頼まれて、この本を思い出しながら出かけたんです。
無事に成功できて自信にもつながったし、お使いを頼まれる私はもう一人前だ!とうれしくなったのを覚えています。
本の好きなところは、自分だけの世界を想像できるところ。例えば自分だけの魔法の世界や、架空の食べ物の味やニオイを想像する瞬間が大好きです。同じ作品でも読む人によって変わってくるのがおもしろいですよね。自分だけのオリジナルをつくれるその特別感を、大人になった今でも大切に思っています。
読 んでほしい!の想 いをつなげる推 せん文 リレー
読書推せん文とは、「あの人に好きな本を伝えたい!」という思いを込めた文章のこと。心に残った言葉や登場人物、共感するストーリーなどを書いて、好きな本を誰かに向けておすすめしてもらいます。今回は松井玲奈さんから中学1年生の横田夏向くんへの推せん文を紹介します!
横田 夏向くんはプログラミングや電車、電子工作、宇宙が大好き。今は電気工事士の資格を受けるために勉強中なんだって! そんな勉強熱心で、将来の夢に向かってがんばっている人におすすめの本とは?
【夢 に向 かってがんばる横田 夏向 さんへのおすすめ本 】
なりたい職業 のその先 を考 えるきっかけにしてほしい!
『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。』幡野広志・PHP研究所
ガンになってしまい、余命宣告を受けた写真家の幡野広志さん。当時2歳の息子さんに、親として、父として、1人の人間として残したいメッセージがつづられているよ。本当の優しさってなに? 学校に行きたくなかったらどうすればいい? 夢と仕事とお金の関係って? 命とは? 幸せってなんだろう? 息子さんだけでなく、誰でも抱える悩みや困りごとを解決できる手がかりが見つかる一冊。
夢 というのは、「なりたい職業 」の先 にあるもの
やりたいことや好きなことがきちんとあって、学ぶことが大好きな横田くん。電気工事士の資格を取るために勉強もがんばっているなんてすごい!
将来なりたい職業の方向性も、なんとなく決まっているような印象を受けました。
『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。』の中で、著者の幡野さんは、“夢は職業のその先にあるものだと思う”と語っています。
たとえば、「将来の夢」を聞かれて、お医者さんになりたい、宇宙飛行士になりたい、YouTuberになりたいと答える子たちも多いと思うんです。でも、それはただ職業を選んでいるのと同じことで、そこがゴールではないんです。
その先、どんなものをつくるのか、どんなことをするのかが本当の夢なんだって、この本は教えてくれました。
横田くんが将来、「この職業につきたい!」と思っているなら、その仕事で自分が何をどんなことを、どんなふうにやってみたいのかを考えてみるのはどうかな。その職業について、その先どんなことをやるのか考えることは、どういう大人になりたいのかを考えるきっかけにもなると思うんだ。
この本を読んで、そうなってもらえたらうれしいな!
優 しさが相手 を困 らせることもある
親切でやったことが、相手を苦しめる可能性があるかもしれない、というのも、この本で私が知ったこと。
幡野さんがガンになったときに、周りの人たちが「こうしたらきっと良くなるよ」とか声をかけてくれたらしいんです。声をかけた人たちは、優しくしたかったんだと思うんだけど、幡野さんはその言葉で困ってしまうことがたくさんあったんだって。
優しくしたくてやったことが相手を苦しめるかもしれない。自分もそういうことをしていたかもしれないって、振り返るきっかけになったんだ。
『ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。』は、今の横田くんだけでなく、成長していく横田くんにも寄り添ってくれる本だと思います。子どもも大人もハッとしたり、気付かされることがたくさんつまっています。
みんなも、もし何かにつまづいたり、心に引っかかりがあるときは、ぜひこの本を読んでみてください。
悩みを解決できるヒントが見つけられると思うから!
「読書 推 せん文 」をもっと見 る!
読書推せん文コンクール公式サイトには、過去の入賞作品の中から、本と推せん文を検索できる「お気に入りの一冊ライブラリー」機能があります。
本のジャンルでの検索はもちろん、それ以外にもいろいろな方法で検索できるんです。例えば、「わくわく」「ほっこり」など推せん文に込められた【気持ちのタイプ】や、【すすめている相手】など。
楽しみながら本を探したり、推せん文を読んでみてくださいね!
今年度 も読書 推 せん文 コンクール開催 決定 !
2024年度も、読書推せん文コンクールの開催が決定しました。みなさんは誰かにおすすめしたい本はありますか? 読んでみてほしい理由はなんですか? いつもと違う視点で本について考えてみると、もっと本を読むのが楽しくなるかも!
撮影/小川健 イラスト/かとうとおる ヘアメイク/白石真弓 スタイリング/鼻先沙耶 取材・文/末永陽子