あんどうしょうえき【安藤昌益】 (1703?〜1762?)江戸(えど)時代中期の社会思想家・医者。出羽(でわ)国久保田(くぼた)(今の秋田(あきた)市)で生まれ,医学・本草学(薬用になる動植物などを研究する学問)を学び,八戸(はちのへ)(青森(あおもり)県)で医師(いし)となった。天災(てんさい)・ききんに見まわれ,悲惨(ひさん)な生活に追われる農民(のうみん)の立場に立って『自然真営道(しぜんしんえいどう)』を書き,封建制度(ほうけんせいど)を批判(ひはん)した。とくに,働(はたら)かないでぜいたくをしている武士(ぶし)階級(かいきゅう)を攻撃(こうげき)し,支配(しはい)する者と支配(しはい)される者との区別のない,すべての人が生産(せいさん)に従事(じゅうじ)する平等な社会を理想とした。