*いいなおすけ【井伊直弼】 (1815〜1860)幕末(ばくまつ)の大老(たいろう)。彦根藩主(ひこねはんしゅ)。直中(なおなか)の14番めの子として生まれ,1850年,兄の死により彦根藩(ひこねはん)35万石の藩主(はんしゅ)となった。14代将軍(しょうぐん)に紀州(きしゅう)(和歌山(わかやま)県)藩主(はんしゅ)の徳川慶福(とくがわよしとみ)(のちの家茂(いえもち))を推(お)す譜代(ふだい)大名の中心となり,1858年に大老(たいろう)になると,朝廷(ちょうてい)の許(ゆる)しを待たずに独断(どくだん)で日米修好(しゅうこう)通商条約(じょうやく)に調印(ちょういん),慶福(よしとみ)を将軍(しょうぐん)の跡(あと)つぎと決めた。ついで反対派(は)を安政(あんせい)の大獄(たいごく)で弾圧(だんあつ)したが,このため,反感をかって,水戸浪士(みとろうし)におそわれて江戸城(えどじょう)の桜田門外(さくらだもんがい)で暗殺(あんさつ)(桜田門外(さくらだもんがい)の変(へん))された。