ヨーロッパ州の北海にある,グレートブリテン島やアイルランド島北部などからなる国。イングランド・ウェールズ・スコットランド・北アイルランドの4つの地域からなる連合王国で,正式な国名は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」という。政治体制は立憲君主制で,元首は国王。首都:ロンドン,面積:24.2万km2(2015年),人口:6618万(2017年),言語:英語(公用語),アイルランド語,ウェールズ語など,宗教:キリスト教(英国国教会派など)など,民族:イングランド人,スコットランド人,ウェールズ人,北アイルランド人など。
自然のようす
グレートブリテン島の中央部を低いペニン山脈が南北に走り,その南と東に低い丘陵と平地が広がる。北部と西部は大部分が山地と丘陵で,北アイルランドは山がちな地形。気候は西岸海洋性気候に属し,1年を通して降水量が安定している。
あゆみ
紀元前にケルト人が居住したが,5世紀ごろに大陸からアングロ=サクソン人が渡ってきた。その後も,多くの民族がおしよせてきたが,1707年にグレートブリテン連合王国が成立し,ほぼ現在の形となった。世界に先がけて産業革命をなしとげて世界各地に広大な植民地をもち,「世界の工場」とよばれる大帝国となった。政治的には早くに議会制民主主義を確立した。しかし,2度の世界大戦で次々と植民地をうしない,国際的地位は急速に低下した。ヨーロッパ連合(EU)の一員としてヨーロッパ域内でのむすびつきを強めたが,2016(平成28)年に国民投票によってEU離脱が決定した。
産業のようす
産業革命の発祥地で,早い時期からランカシャー地方,ヨークシャー地方などで工業地域が形成された。しかし,工場設備の老朽化や植民地の独立などの影響で,工業生産がのびなやんだ。そこで鉄鋼・石炭・電力などの重要産業を国営から民営にしたり,新しい臨海工業地域を建設したりして,産業の発展につとめた。1960年代に北海油田が発見され,現在は石油輸出国となっている。
社会のようす
工業化の進展によって農村から多くの人々が都市に吸収された。巨大都市ロンドンでは,無秩序な宅地化,都心部の交通渋滞,大気汚染などの都市問題が発生した。そこで第二次世界大戦後,都心部から30〜40kmに緑地帯をおき,その外側にニュータウンが建設された。これは世界の都市計画の見本となった。ロンドンなどの都市部では,再開発がさかんに行われている。
日本との貿易
イギリスから日本への輸出:一般機械,医薬品,電気機器など。
イギリスの日本からの輸入:乗用車,一般機械,電気機器など。(2015年)
国名の由来
ポルトガル語のイングレス(Ingles)による。
国旗の由来
ユニオン=ジャック。イングランドの白地に赤の十字,スコットランドの青地に白斜め十字,アイルランドの白地に赤斜め十字があわさったもの。