(1932〜 )昭和・平成時代の小説家,政治家。神戸市に生まれ,神奈川県湘南地方で育つ。はじめは海軍士官・外交官をこころざしたが断念,一橋大学に入学。1955(昭和30)年,大学の同人誌に書いた小説で注目され,その年に書いた「太陽の季節」で新人賞,芥川賞を受賞し作家デビュー。肉体の肯定,青年の既成価値への不信を描いたこの作品は「太陽族」という社会的な現象をよび,映画出演など一躍マスコミの寵児となった。次々と問題作を発表するとともに映画製作,思想的・社会的な発言でも脚光をあびた。小説家としての代表作には「化石の森」(70年),「弟」(96年)などがある。1968年,参議院選挙に自民党から立候補し当選,72年には衆議院に転じ,若手議員のタカ派集団「青嵐会」を結成。75年に議員辞職をして東京都知事選挙に立候補するが落選。76年,衆議院議員に復帰,福田赳夫内閣で環境庁長官,竹下登内閣で運輸大臣を務める。95(平成7)年,議員辞職。99年,国政を東京都から変えると宣言して,ふたたびの挑戦で東京都知事に当選・就任。4期13年にわたり都政を担当,この間,ディーゼル車の排気ガス規制,新銀行東京の設立,オリンピック招致運動などさまざまな施策を行う。一方,国政や尖閣諸島領有問題に対する発言でさまざまな物議もかもした。2012(平成24)年10月,ふたたび国政に挑戦するとして任期を残して辞職,同年11月,政党たちあがれ日本に合流して「太陽の党」を結成,さらに「日本維新の会」に合流して代表に就任した。2012年12月,衆議院議員に復帰。4男があり2人も政治家。