＊イスラエル（国）

ユダヤ人の国は，紀元(きげん）前1000年ごろにさかえたが，のち滅亡(めつぼう）してユダヤ人は世界各地(かくち）へ離散(りさん）した。第一次世界大戦(たいせん）後，ユダヤ人の間で故郷(こきょう）を回復(かいふく）する運動（シオニズム）がさかんになり，1948年にアラブ諸国(しょこく）の反対をおしきって建国(けんこく）。アラブ諸国(しょこく）と対立し，1973年までに4次にわたる中東戦争(せんそう）がおこった。1993年にはパレスチナ国家の樹立(じゅりつ）をめざすアラブ人の政治組織(せいじそしき）PLO（パレスチナ解放機構(かいほうきこう））との間でパレスチナ暫定自治(ざんていじち）に合意(ごうい）。しかし，その後の政権(せいけん）交代などで和平の道筋(みちすじ）はくずれ，2000年秋以降(いこう）イスラエル治安部隊(ちあんぶたい）とパレスチナ住民との武力衝突(ぶりょくしょうとつ）が繰(く）り返されている。

西部から海岸平野，高原，ヨルダンの谷（地溝帯(ちこうたい））が縦(たて）じま状(じょう）にならぶ。海岸平野は雨が多く，土地も肥(ひ）よくで，穀類(こくるい）・果実(かじつ）などを栽培(さいばい）する農業地帯(ちたい）であるが，内陸(ないりく）は乾燥地帯(かんそうちたい）。農村の一部はキブツ（集団(しゅうだん）農場）で，農業開拓(かいたく）の役割(やくわり）をはたしてきた。ハイファの石油精製(せいせい），死海(しかい）のカリ塩(えん）工業など工業化がさかんで，ダイヤモンド加工(かこう）が有名。イラク戦争(せんそう）後は，情報通信(じょうほうつうしん）などのハイテク産業(さんぎょう）もさかん。

ヘブライ語で「神と競(きそ）った者」「神の戦士(せんし）」の意で，「旧約聖書(せいしょ）」の記述による。

青と白はユダヤ教の祈(き）とう者の肩(かた）かけ（タリート）で，ユダヤ民族(みんぞく）の色。星は古代イスラエルのダビデ王の盾(たて）で，ユダヤ民族のシンボル。