ヨーロッパ州の地中海に面する,イタリア半島とシチリア島,サルデーニャ島などからなる国。政治体制は共和制で,元首は大統領。首都:ローマ,面積:30.2万km2(2015年),人口:5936万(2017年),言語:イタリア語(公用語)など,宗教:キリスト教(カトリック)など,民族:イタリア人など。
自然のようす
イタリア半島の中央部を背骨のようにアペニン山脈が走るので,国土全体が山がちで,火山や地震も多い。北部のポー川流域にはパダノ=ヴェネタ平野が広がる。気候は地中海性気候に属し,夏は高温で乾燥し,冬は温暖で雨が多い。
コーチ
同じ北緯約42度に位置するローマと日本の函館の気温をくらべると,ローマの方が年平均で約7℃,最も寒い月で11℃も高温になっている。
あゆみ
紀元前1世紀ごろにローマ帝国が成立し,その後,地中海全域に領土を広げ繁栄した。その文明はギリシャ文明とともにヨーロッパの文明の源となった。その後勢力がおとろえて,4世紀末には東西に分かれ,西ローマ帝国は5世紀にほろんだ。十字軍遠征ののち,イタリア北部の都市は東方貿易の中継地としてさかえ,ルネサンスの舞台ともなった。19世紀中ごろ,小国家群の統一が進み,イタリア王国が生まれた。20世紀前半にはムッソリーニ率いるファシスト党による独裁政治が行われたが,第二次世界大戦で大敗し,1948(昭和23)年に共和国となった。現在はヨーロッパ連合(EU)の重要な一員となっている。
産業のようす
北部のポー川流域では生産性の高い混合農業や稲作が行われており,ミラノ・トリノ・ジェノバをむすぶ三角地帯には,繊維・機械・化学などの工業地域が形成されている。一方,南部の産業の中心は,果樹栽培と麦作を組み合わせた農業であり,南北の経済格差が大きい。ローマ帝国時代の遺跡やアルプスの自然など観光資源が豊富で,観光業がさかん。
日本との貿易
イタリアから日本への輸出:一般機械,バッグ類,衣類と同付属品など。
イタリアの日本からの輸入:一般機械,乗用車など。(2015年)
国名の由来
「子牛」を意味する古代ラテン語のイタロス(Vitulus)からきている。
国旗の由来
3色は自由,平等,友愛を表すとともに,美しい国土,アルプスの雪,統一国家実現のために流した血を表す。