県名の由来:奈良時代の『常陸国風土記』には「木の柵で囲んだ根拠地」「茨(ばら)のあるところ」の説があり,英雄がばらのとげで敵を平定したことにちなむとされている。
県庁所在地
県の面積
県の人口
県の伝統工芸品と祭り
〔伝統工芸〕
○結城つむぎ
〔祭り〕
○日立まつり(日立市,5月3〜5日) ○鹿島祭頭祭(鹿嶋町,3月9日)
位置・地形・気候
茨城県は,関東地方の北東部に位置し,東は太平洋に面している。
北部には,阿武隈高地と八溝山地が平行して南北にのび,八溝山地の南端に筑波山がある。また,八溝山地からは久慈川・那珂川が東へ流れ,太平洋に注いでいる。
南部には,広々とした関東平野が広がる。その半分以上は関東ローム層におおわれた常総台地で,千葉県との境を流れる利根川流域には霞ヶ浦・北浦があり,低地となっている。
気候は,夏に降水量が多く,冬に晴天がつづく太平洋側の気候である。
歴史
むかしは常総国といった。国府と国分寺はいまの石岡市におかれた。平安時代には,平将門の乱の舞台となった。鎌倉時代以降,佐竹氏が大きな勢力をもって支配し,戦国時代末期には,水戸城に本拠をうつし,以後,水戸が中心となった。
江戸時代には,水戸藩と多くの小藩や旗本領・直轄地に分けられ,水戸藩は徳川氏が藩主となって,御三家の1つとしてさかえた。水戸は城下町として大きく発展した。
明治になって,1871(明治4)年の廃藩置県のさい,分割されていた地域が統合されて,茨城県が成立した。
産業
広い平野にめぐまれ,耕地面積は北海道についで全国2位である。農業生産額は全国2位で,米が約21%,野菜が約38%,畜産物が約26%となっている(2009年)。
稲作は利根川ぞいの低地が中心で,米の生産量は全国5位である。常総台地では首都圏向けの近郊農業がさかんで,ジャガイモ・サツマイモ・ハクサイ・レタス・ネギ・ピーマン・トマト・キャベツ・ニンジン・ホウレンソウ・レンコン・ゴボウ・メロンなど,多くの野菜で,全国上位の生産量をあげている。また,卵の生産量は全国1位で(2009年),豚肉や乳牛の飼育も全国有数である。
工業生産額は全国8位で(2009年),日立市やひたちなか市の電気機器や鹿島臨海工業地域の鉄鋼・石油化学工業などが中心である。近年,県の南部地域には,機械や食料品の工場がふえており,つくば市には多数の研究所がある。また,東海村には,日本最初の原子力研究所と原子力発電所がある。
研究学園都市つくば市
東京に集中する人口をおさえ,科学技術研究の基盤を整備するために,筑波山のふもとに近代的な研究学園都市の計画が立てられたのは1963(昭和38)年のことだった。
建設は1968年に始まり,順次,国の研究機関や大学の移転が行われた。
1985年には,日本を代表する科学技術研究の拠点であることをアピールするために国際科学技術博覧会(科学万博)が開かれ,世界各国から大勢の人々がおとずれた。科学万博を記念したエキスポセンターでは,世界最大級のドームをもつプラネタリウムをはじめ,宇宙体験施設などが一般に公開されている。
その後,民間の研究機関もあいついで進出し,人口もふえて,1987年には,つくば市が誕生した。
いまでは,筑波大学をはじめとする国や民間の研究教育機関が数多くあり,研究機関の数は約300,研究者は約1万3千人。あらゆる分野の研究者が集まり,海外からの研究者や留学生も多く,国際的な研究都市となっている。