**いはらさいかく【井原西鶴】 (1642〜1693)江戸(えど)時代前期の小説(しょうせつ)家・俳人(はいじん)。大阪(おおさか)の豊(ゆた)かな商家に生まれる。西山宗因(にしやまそういん)に俳諧(はいかい)を学び,1昼夜のうちに2万3500句(く)をよんで人々をおどろかせた。40歳(さい)をすぎてから小説(しょうせつ)を書きはじめ,以後(いご),十数編(へん)の浮世草子(うきよぞうし)を世にだした。なかでも,『日本永代蔵(にっぽんえいたいぐら)』『世間胸算用(せけんむねさんよう)』には金を中心にした町人の生活が生き生きとえがかれている。『好色一代男(こうしょくいちだいおとこ)』『好色五人女(こうしょくごにんおんな)』も,人間の欲望(よくぼう)をよく表した傑作(けっさく)である。