19世紀後半から20世紀半ばまでのインドで,イギリスからの独立を目指して行われた民族運動。19世紀後半,イギリスの植民地となったインドでは,民族自決を求める運動が展開され,イギリスの通貨を排斥する声や,イギリス製品の不買運動が高まった。1917年に第一次世界大戦が始まると,イギリスは戦争に協力するかわりにインドに自治権を与えることを約束したが,戦後与えられた自治権は不十分なものだった。このため,ガンディーを中心とする非暴力・不服従をかかげる抵抗運動が高まり,1930年,塩の専売制に反対する「塩の行進」が行われた。これらの抵抗運動をイギリスは弾圧したが,第二次世界大戦が始まると完全独立を求める声が高まった。戦後,国力が低下して独立運動を抑えきれなくなったイギリスは,これを承認。1947年,ヒンドゥー教徒の多いインドと,イスラム教徒の多いパキスタン(のちにバングラデシュとして独立する東パキスタンを含む)とに分かれて,インド帝国から分離独立した。◇1857年〜1859年に発生したインドの大反乱を,インドの民族運動の始まりとすることもある。