(1920〜2010)昭和・平成時代の民族学者。京都府生まれ。旧制中学時代に山岳部に入ったことから登山・探検に熱中し,京都大学では動物生態学を専攻。さまざまな学術探検隊に参加し,やがて専門を人類学に変更。1957(昭和32)年,文明の盛衰を気候や地理条件などの生態学的に分析した『文明の生態史観序説』を発表,大きな注目を浴びた。その後,独特の文明・文化論を展開し,その研究は「梅棹学」ともよばれた。国立民族学博物館の設立に尽力し,74年,初代館長に就任。86年に失明するが研究意欲は衰えず,93(平成5)年に館長を退職したあともさかんな執筆活動を続けた。『梅棹忠夫著作集』全23巻がある。