筋萎縮性側索硬化症。全身の運動ニューロン(神経単位)が数年でおかされて筋肉が動かなくなってしまう難病。ルー・ゲーリック病ともいう。手足の筋肉の萎縮と筋力の低下がおこり,日常動作に障害が出て,話すこと,食事をすることも困難になる。さらに呼吸筋のまひによって,呼吸も困難になり人工呼吸器にたよらざるをえなくなる。体は動かせないが,意識・感覚・知能に障害は出ず,排せつ機能は正常にたもたれる。発症の原因は不明だが,遺伝性は認められず,タンパク質が異常凝縮することによって運動ニューロンを過剰刺激して細胞死をおこさせる,などの仮説が出されている。現在のところ治療法はない。「車椅子の科学者」スティーブン・ホーキングの病気として知られているが,ほかに毛沢東などもALSにかかっていたといわれている。⇒ニューロン