沖縄県で,旧暦の盆あけ(8月下旬から9月上旬)に祖先の霊を迎え,送るために行われる伝統芸能。「エイサー」とは,その芸能でのはやし言葉。夏に祖霊を迎える行事は沖縄でも古くから行われていたが,17世紀初めに本土から浄土宗の僧が布教に訪れ,念仏(念仏歌,念仏踊り)を伝えたものが行事と結びつき,やがて芸能化していった。明治時代になり庶民に広く普及し,歌と踊りの芸能になり,第二次世界大戦後に太鼓が加わり,現在のはでな衣装とパフォーマンスで知られる太鼓エイサーのかたちになった。伝統的には各集落の若者たちが家々を回るかたちで行われるが,全島エイサー祭りをはじめとして沖縄各地で芸能イベントとしても開催されている。