(1894〜1965)大正〜昭和時代の小説家。三重県に生まれる。早稲田大学政経学部を卒業後,古本屋,屋台のそば屋,新聞記者などの職業を転々とした。1923(大正12)年に『二銭銅貨』を発表,つづいて名探偵明智小五郎が登場する一連の作品を書き,大衆推理小説の第一人者となった。また,『怪人二十面相』『少年探偵団』など少年読み物の分野でも人気を得た。第二次世界大戦後は評論に専念し,海外の作家や作品の紹介にもつとめた。1947(昭和22)年に日本探偵作家クラブ(いまの日本推理作家協会)を設立,1954(昭和29)年には江戸川乱歩賞を設定し,後進の育成にあたった。◇筆名の江戸川乱歩は,アメリカ合衆国の推理作家ポー(エドガー=アラン=)をもじったもの。