ミニマム・アクセス米の略で,日本が海外から最低限輸入しなければならない米のこと。日本では米の自給率の確保,国内農家の保護のため,米の輸入に厳しい制限を設けていたが,1993年12月,GATT(関税および貿易に関する一般協定)の多角的貿易交渉(ウルグアイラウンド)によって米の市場開放を受け入れた。ただし,国産米保護のために輸入米に高い関税を課す特例措置が認められたが,その代わりに,通常のMAの割増率(初年度に国内消費量の3%→最終年度5%)より高い割増率(4%→8%)の最低輸入義務を負うことになった(1999年特例措置から関税化に移行したが割増率は加重された輸入量とほぼ同じ約80万t)。MA米は主食用には流通させず,みそや焼酎などの加工用,海外援助用に回されることになったが消費しきれず,年々備蓄米として在庫が増える一方になっている(2008年末までの在庫ピーク時で203万t)。保管中に水ぬれやカビの発生した米,残留農薬の検出された米は,事故米として,糊の製造用などの非食・工業用として安値で業者に卸される。