えんちん【円珍】 (814〜891)平安時代初期(しょき)の天台宗(てんだいしゅう)の僧(そう)。讃岐(さぬき)国(香川(かがわ)県)に生まれ,俗姓(ぞくせい)は和気氏(わけし),空海のめいの子ともいう。15歳(さい)で出家,延暦寺(えんりゃくじ)の座主義真(ざすぎしん)の弟子になる。853年唐(とう)(中国)にわたり蘇州(スーチョウ),長安(ちょうあん)(西安(シーアン))で修行(しゅぎょう),858年帰国。868年に第5世天台座主(ざす)となる。延暦寺別院(えんりゃくじべついん)として園城寺(おんじょうじ)(三井寺(みいでら))を再興(さいこう)し,のち弟子たちがこの寺によって寺門派(じもんは)を称(しょう)し,延暦寺(えんりゃくじ)の山門派(さんもんは)と対立した。◇死後,朝廷(ちょうてい)から智証大師(ちしょうだいし)とおくり名された。