油母頁岩といわれ,油分にまで分解されていない有機化合物「油母」を多くふくむ腐泥岩の一種。炭田層や石炭鉱床近くに大量に埋蔵され,「燃える石」として先史時代から利用されていた。現在でも中国をはじめいくつかの国では直接燃やして火力発電の燃料に利用されている。また,熱分解することで合成原油(シェール油),シェールガスを抽出することができる。地球上の埋蔵量は原油を上回ると推定され,石油にかわる代替エネルギーとして注目されているが,油母には不純物が多くふくまれていて,直接燃やしてもシェール油を利用するにしても(熱分解の工程でも),汚染物質が大量に発生し,環境への悪影響が大きい。