おういん【押韻】 詩の中で一定の音をきまった位置(いち)にくりかえして用い,音調を美しくととのえること。「韻(いん)をふむ」ともいう。漢詩や西洋の詩には古くから押韻(おういん)のきまりがあった。頭韻(とういん)(句(く)の頭の字に押韻(おういん)する)と脚韻(きゃくいん)(句(く)の末尾(まつび)の字に押韻(おういん)する)がある。◇孟浩然(もうこうねん)の『春暁(しゅんぎょう)』という五言絶句(ごごんぜっく)春眠不覚暁(春眠暁(しゅんみんあかつき)を覚(おぼ)えず),処処聞啼鳥(処処啼鳥(しょしょていちょう)を聞く),夜来風雨声(夜来風雨の声),花落知多少(花落つること知る多少ぞ)では,1,2,4句末(くまつ)の「暁(gy)」「鳥(ty)」「少(sy)」が韻(いん)をふんでいる。漢詩の五言絶句(ごごんぜっく)では2,4句末(くまつ)に(1句末(くまつ)にすることもある),七言絶句(しちごんぜっく)では1,2,4句末(くまつ)に押韻(おういん)するなどのきまりがある。⇒絶句(ぜっく) ⇒律詩(りっし)