＊＊おおさか【大阪（大阪府の都市）】

大阪府(おおさかふ）の府庁所在(ふちょうしょざい）地。大阪府(おおさかふ）中央部，大阪湾(おおさかわん）に面する西日本第1の大都市。西日本の商業の中心地。政令(せいれい）指定都市。人口：253．8万。

〔天下の台所〕

 豊臣秀吉(とよとみひでよし）が大阪城(おおさかじょう）をきずいて以来(いらい），城下町(じょうかまち）・商人町として急速に発展(はってん）。江戸(えど）時代，諸藩(しょはん）からの年貢(ねんぐ）米・産物(さんぶつ）が集められたこともあって，「天下の台所」とよばれた。明治(めいじ）時代になると，その活発な経済(けいざい）活動を背景(はいけい）に繊維(せんい）工業が発達(はったつ），その後重化学工業も発達(はったつ）した。

〔問屋の町〕

 大阪(おおさか）市は，西日本の経済(けいざい）を支配(しはい）する大商業都市である。商業は問屋が多いのが特色(とくしょく）で，「問屋の町」という性格(せいかく）が強い。問屋街(がい）は船場(せんば）・島之内(しまのうち）などに多く，本町(ほんまち）・丼池筋(どぶいけすじ）の繊維(せんい），道修(どしょう）町の薬，松屋(まつや）町の菓子(かし）・おもちゃ，日本橋(にっぽんばし）の電気器具(きぐ）など，同一の業種(ぎょうしゅ）が集中する伝統(でんとう）をいまにとどめている。しかし近年は，交通事情(じじょう）の悪化などで，問屋の郊外(こうがい）への移転(いてん）が進められてきた。証券(しょうけん）会社の多い北浜(きたはま），会社・銀行の集中する堂島(どうじま）・中之島(なかのしま）・御堂筋(みどうすじ）は高層(こうそう）ビルが林立し，経済(けいざい）の核心地域(かくしんちいき）を形づくっている。

コーチ

 小売商店は都心の心斎橋筋(しんさいばしすじ）・戎橋筋(えびすばしすじ）や梅田(うめだ）・上六(うえろく）・阿倍野筋(あべのすじ）のターミナルに商店街(がい）をつくり，地下商店街(がい）も発達(はったつ）。

〔阪神(はんしん）工業地帯(ちたい）のかなめ〕

 工業は鉄鋼(てっこう）・機械(きかい）・化学などの重化学工業を中心に，繊維(せんい）・衣料(いりょう）・食品・雑貨(ざっか）などの軽工業もさかんで，阪神(はんしん）工業地帯(ちたい）のかなめとなっている。しかし，工業の発達(はったつ）にともない，淀(よど）川河口(かこう）部の地盤沈下(じばんちんか），ばい煙(えん）・騒音(そうおん）などさまざまな公害(こうがい）の発生，住宅事情(じゅうたくじじょう）・生活環境(かんきょう）の悪化などの問題をかかえている。