おおばげんのじょう【大庭源之丞】 (17世紀(せいき)ごろ)江戸(えど)時代初期(しょき),駿河(するが)国駿東郡深良(すんとうぐんふから)村(今の静岡(しずおか)県裾野(すその)市内)の名主。当時,この地方は水不足(ぶそく)になやまされていたので,源之丞(げんのじょう)は芦(あし)ノ湖の水をかんがい用水に利用(りよう)することを考え,江戸(えど)の町人友野与右衛門(とものよえもん)に工事を依頼(いらい)した。工事は幕府(ばくふ)の許(ゆる)しをえて1666年に始められ,4年後,湖尻峠(こじりとうげ)の下を1280mもほりぬいて箱根(はこね)用水を完成(かんせい)した。そのおかげで,29か村500haの新田が開発されたが,源之丞(げんのじょう)・与右衛門(よえもん)は完成(かんせい)後ほどなくして行方不明(ゆくえふめい)となった。