子どもの遊びに使われる道具。がん具ともいう。もとは「手にもって遊ぶもの」という意味から,「もちあそび」などとよばれ,それが変化して「おもちゃ」になった。人間にとっておもちゃは欠かすことができないもので,世界のどこの国にも,その国の生活習慣や産物に根ざしたおもちゃがある。昔は身のまわりにあるものを材料にした手作りのものが多かった。それらは,いまも郷土がん具としてのこっている。明治時代にはいって,金属製のおもちゃが出まわり,セルロイド製も多くなった。第二次世界大戦後,プラスチック製おもちゃが登場し,もえにくい,こわれにくい,色づけがしやすい,などの点から,めざましい発展をとげた。1980年代にはいると,テレビゲーム機など電子化されたおもちゃが多くなり,おもちゃのイメージが一変した。おもちゃは,子どもの心身の発達と深い関係があり,幼児教育という点からも,重要な役割をはたしている。