おんしゅうのかなたに【恩讐の彼方に】 菊池寛(きくちかん)の短編小説(たんぺんしょうせつ)。1919(大正8)年発表。主人をころした男が,僧了海(そうりょうかい)と名のり,山をきりひらいて道をつくる大仕事に苦労(くろう)しながらとり組んでいる姿(すがた)を見て,父のあだ討(う)ちにおとずれた実之助(じつのすけ)も協力(きょうりょく)して,21年めに開通する。あだ討(う)ちの無意味(むいみ)さと,恩讐(おんしゅう)(恩(おん)とうらみ)をこえた人情(にんじょう)美をえがいた作品。コーチ 作品のモデルになったのが,僧禅海(そうぜんかい)がほった青(あお)の洞門(どうもん)(大分(おおいた)県史跡(しせき))のトンネルである。