外交上,条約や公文書に示されず,2国間の政府関係者によって秘密のうちにとりかわされた約束のこと。1960(昭和35)年の日米安全保障条約改定のさいに核兵器を搭載したアメリカ軍艦船の日本寄港を認めること,72(昭和47)年の沖縄返還のさいにアメリカ軍基地の現状復帰費を日本側が負担することと有事の核兵器の持ちこみの黙認などの密約が日米両政府間でかわされたといわれている(この間の68年に日本政府は非核三原則を表明している)。政府は一貫して密約の存在を否定してきたが,2009(平成21)年,鳩山内閣は密約の存在を前提に調査することを明言し,また,当時の外務省関係者も密約があったことを証言している。⇒日米安全保障条約⇒沖縄返還⇒非核三原則