両生類のうち,最も発達した一群,無尾目の動物の総称。体は太くて短く,四肢とくに後肢がよく発達している。幼生はおたまじゃくしとよび,えらで呼吸し,魚類に似た生活をする。変態後は尾が体内に吸収され,陸にあがって肺呼吸を行うが,原則として水辺のしめった場所にすむ。世界に約2000種が知られている。
カエルの一生
卵からふ化した幼生のおたまじゃくしは,水中を泳ぐための尾と水中で呼吸するためのえらをもっている。完全な水生動物といえるおたまじゃくしは,成長すると,今度は陸上生活に必要な器官を発達させはじめる。外見上,いちばんよくわかるのが足の形成で,まず後ろ足,つづいて前足ができてくる。それにともない幼生器官である尾がだんだん短くなる。体の内部では消化管のつくりかえと,えらの退化がおこり,空気中で呼吸するための肺とさまざまな内臓器官が形をととのえてくる。このようにしておたまじゃくしがカエルへと変態をはたすと,水から出て陸上生活にうつり,陸上でえさをとりはじめる。しかしカエルは体内の水分の蒸発をふせぐような皮膚をもたないため,湿気の多い場所にすみ,つねに皮膚がぬれていなければ死んでしまう。そのうえ体外受精であり,卵が乾燥に弱く,幼生が水で育つために,産卵のときには水へもどらなければならない。
カエルの卵の数
ふつうのカエルは,水中に卵をうみっぱなしにして,とくに面倒をみない。そのため,卵やおたまじゃくしが敵におそわれることが多く,その分,卵をたくさんうむ必要がある。たとえば,ウシガエルは2万個もの卵をうむが,成長して繁殖まで生きのこるのは,その中のたった2匹ほどである。